デイヴィッド・ハルバースタム死去

もう一週間以上前の話になるが。取材へ向かう途中での交通事故死。ハルバースタムはまだ現役で活躍していたので、不慮の死が惜しまれてならない。 自分がハルバースタム作品で読んだのは、『ベスト&ブライテスト』、『メディアの権力』、『ザ・フィフティー…

第二次レバノン戦争の中間報告書が発表

オルメルト内閣によって任命されたウィノグラッド委員会による第二次レバノン戦争の中間報告書が発表された。今回の報告書は戦争の最初の5日間が対象。それ以降の部分については夏に出る完全な報告書で扱われる。 報告書は戦争のデシジョン・メイキングに責…

Rolling Stone、40年分をDVDにアーカイヴ化

雑誌Rolling Stoneが創刊40周年を記念して、1967年の創刊以来の記事、写真、レビューなどの全内容を収めたDVDを発売。予価は120ドル。 以前書いたThe Complete New Yorkerと同様の試みで、同じソフトウェア会社がアーカイヴ化を手がけている。 また、Playboy…

カート・ヴォネガット死去

SF

いろいろ考えると驚くほど長生きしたといえるけど……

ジョー・サッコの"Palestine"と"Safe Area Gorazde"

こっち方面は疎いので、こういう作品が書かれているとは今日まで知らなかった。Amazonの紹介部分が珍しく翻訳してあるのでそこを読んでほしい。自分の場合、「なか見!検索」が上手く働かなかったので、Amazon.comのほうもリンクしておく。 "Palestine"(Ama…

ガスプロム・シティ?

ロシアの超巨大国営ガス会社ガスプロムが本社をモスクワからサンクト・ペテルブルグに移すという話。 これはプーチン大統領の出身地であるサンクト・ペテルブルグ開発計画の一環で、この計画の名前がガスプロム・シティということらしい。友人にこの話をした…

ロリー・スチュアート

最近知った人物だがすごすぎる。往時の大英帝国が定期的に産出していた才能あるエキセントリックなオリエンタリストの風情。ただ、外見はそこら辺の兄ちゃんにしか見えない。

ビーイング・マイケル・イグナティエフ

サマンサ・パワーの"A Problem from Hell"の翻訳出版がもう1年近く遅れており、友人がブツブツ文句を言っているので、「イグナティエフでも読んでみたら」と勧めてみた。イグナティエフをハーバード・ケネディ行政大学院のカー人権政策センター(the Carr C…

イタリア-クロアチアの歴史論争

イタリアとクロアチアのあいだで歴史解釈をめぐって論争が起こっている。 2月10日、第二次世界大戦時ユーゴスラビアで殺害されたイタリア人を記念する式典で、イタリア大統領ジョルジョ・ナポリターノが次のような演説をした。 「大波のような憎しみと流血…

いやあ

Web

どうもモチベーションが下がって更新してなかった。RSSでニュースを大量に見るようになったのでネタには事欠かないのだが、書く気が湧かず。 「ワジリスタンにジャララッディン・ハッカニのネットワークがまだあるのか!」「ガーディアンにトニー・ジャット…

ポール・グリーングラス、イラクの映画を撮る?

BBCの記事によると、ポール・グリーングラスがイラクを舞台にした映画の撮影を計画していることをアナウンスした。 原作はこのあいだ採りあげたRajiv Chandrasekaranの"Imperial Life in the Emerald City: Inside Iraq's Green Zone"。どういう映画になるの…

Invading Somalia is no recipe for stability

ソマリアの紛争について書いているFinancial Timesの社説。ほとんど付け加えることはない。すごく乱暴に短くまとめるとこんな感じか。イスラム法廷連合は十数年以来初めてソマリアに秩序に近いものをもたらしたが、あの国の状況を考えれば驚くべき達成といえ…

The legendary Billmon bade farewell.

Web

世界最高のブログだと思っていた*1Whiskey Bar(今は繋がらない)が閉店してしまった。ショックが大きすぎる。 サイトはInternet Archiveに途中までは残っている。どんなサイトだったかはWikipediaのエントリも参照してくれ。 *1:"Billmon"で検索してみれば…

Slavoj Zizek "Denying the Facts, Finding the Truth"

1/5のNew York Times、Op-edにジジェク! いやあ、ジジェクはこういうところに出していい人間なんだ……。ということで記念に翻訳してみたが、正直意味があんまりわからん(手押し車の小話>同じトリックのところとか、オチとか)。でも訳しちゃったので、載せ…

イスラエルの選択肢

(メモ書きフォルダを漁ったら書き途中のがいろいろ出てきたので、今週中に書けそうなやつは書いて片づけてしまおうと思う) ウリ・アヴネリがアヴィグドール・リーベルマンについて書いた記事"Lovable Man"には、イスラエルの採りうる政治的選択肢について…

よし、エゼキエル・オプションだ!

このエントリで書いたマット・タイッビの記事を1つ訳してみた。タイッビも悪乗りしてるし、完全に自分の趣味で選んだので、あんまり面白くないかも。やっぱ反9/11陰謀論のほうにすべきだったか…… キリスト教(というべきかわからんが)ネタなので、嫌な人は…

グレッグ・イーガン『ひとりっ子』isbn:415011594X

イーガンの第三短編集。いろんな短編でペンローズがバカにされてた気がする(「心の中の皇帝」「“魂”の量子不確定性」とか)。前のふたつの短編集と較べると内容は落ちる。「行動原理」、「真心」、「決断者」、「ふたりの距離」は大した話とは思えなかった…

国際関係論は別だ

英語の本は安いと書いたが、国際関係論だけは別だった。 構造的リアリズムを確立した記念碑的著作であるケネス・ウォルツの"Theory of International Politics"ASIN:0075548526なのに13000円もする。コヘインとナイの"Power and Interdependence"ASIN:032104…

2006年の五冊

もう年明けているが。 振り返ってみると、去年はたいして本を読まなかったことが判明。ネットで時間を浪費しすぎたみたいだ。この傾向には、英語のニュースやブログを真面目に読むようになって拍車がかかった。「積読も溜まってるし、時間の使い方を考えない…

ニクソンとプレスリー

USA

エルヴィスマニアには常識なのかもしれないが……

"Fear and Loathing in Gonzovision"

ハンター・トンプソンとラルフ・ステッドマン主演のドキュメンタリー、Google Videoで見つけた。1978年、BBC製作。 追記:"Buy the Ticket, Take the Ride: Hunter S. Thompson on Film"というタイトルのドキュメンタリーももうすぐ公開。IMDbなどをみると、…

イラク研究グループ公式報告書、要旨の翻訳

イラク研究グループ(Iraq Study Group)の公式報告書が発表された。本文は全96ページ。大きく「現状評価」と「勧告」に分かれている。勧告は79点ある。一応ざっとは読んだ。「現状評価」はよい出来で、有用。相当悲観的な内容を包み隠すことなく書いている…

フランソワ・フュレについて訂正

このエントリでフランソワ・フュレの"The Passing of an Illusion"は『20世紀を問う』というタイトルで訳されていると述べました。しかし後者を手に入れた結果、それは誤りであることがわかりました。訂正させていただきます。 国会図書館の検索で調べてまち…

Economistを購読したいだって? プロレのおまえが?

友だちに「Economist定期購読しようかな」って言ったら「もう一度言ってみろ」って凄まれちゃった。まあ気持ちは分かるけどさ…… 飛行機の利用頻度が高い、いわゆるフリークエント・フライヤーである点です。 これにはThe Economist 誌の定期購読者の多くが世…

David Foster Wallace "Infinite Jest"

デイヴィッド・フォスター・ウォレスの"Infinite Jest"ASIN:0316066524ということで、10ドルのエディションが出てたので買った。 その長さ(約1000ページ)と、知的に挑戦的な内容からピンチョンの『重力の虹』とよく比較される。ほかに引き合いに出されるの…

CPA - 共和党バグダッド支部

ワシントン・ポストの記者が書いた本はだいたい本紙に編集した抜粋が載る。上のリストで言うと、Shadid、Ricks、Chandrasekaranの本だ。とりわけ、Thomas Ricksの"Fiasco"の抜粋前後編は相当の衝撃をもって迎えられた。 "In Iraq, Military Forgot Lessons o…

James Risenの"State of War"翻訳出てた

2006年のピューリツァー賞を受賞した(参照)ジェームズ・ライゼンの著書が『戦争大統領』ASIN:4620317802で9月に出版されていたみたい。 しかしなんでこのへんの本はみんなトンデモ本くさい表紙なんだろう。 リチャード・クラーク『爆弾証言 すべての敵に…

フランスの著名予審判事、ルワンダ高官を訴追

フランスの著名な予審判事ジャン=ルイ・ブリュギエールは、現ルワンダ大統領ポール・カガメが1994年のジェノサイドの引き金となった大統領機撃墜を命じたと結論をくだした。ブリュギエールはルワンダ政府高官9名に対し、国際逮捕状を請求中。この9名のな…

More rubble, less trouble

友人とイラン攻撃はあるかどうかを話していて、自分が「こう考えてみよう。イラク戦争がうまくいかないのはイランのせいだ、イランを倒せばイラクもうまくいく──たぶんこんな理屈を並べるやつだっているにちがいない」と言ったら、「そんな妄想みたいな話が…

No Laughing Matter

"Not with a bang but a whimper..."