0-01-01から1ヶ月間の記事一覧

11 Market Dynamism and Global Disruptions

PMFは主権国家による武力の独占という国際政治の想定に暗黙のうちに挑戦する。

10 Contractual Dilemmas

この章以降はPMFの拡大が引き起こす様々な問題点が検討される。この章では「契約上のジレンマ」を扱う。一般業種も含めたアウトソーシングに常につきまとう様々な問題点が、PMFの特殊性のためにより複雑になっているのだ。業務をアウトソースする施主側-顧客…

7.8.9はPMFの個別事例なのでまとめはとばす。

6 The Privatized Military Industry Classfied

PMFの分類について。 従来よりPMFを“能動的”と“受動的”カテゴリーに分類する方法論があったが、問題はこの分類が相対的で、恣意的にならざるを得ないことである。 分類は民間軍事会社に内在する属性ではなく、契約の種類とクライアントの意図を基準として行…

5 The Global Industry of Military Services

民間軍事会社の産業構造などのビジネスとしての分析。 産業構造は国家の軍隊と違い、資本集約的ではなく労働集約的。このため参入障壁は比較的低い。兵器などの必要な装備はオンデマンドで購入される。また、PMFの高い給料(軍の2〜10倍)のため、雇用志望…

4 Why Security Has Been Privatized

ではPMFの隆盛を導いた原因は何か? 簡単に箇条書きする。 冷戦の終結による軍事・政治・経済環境の変化 2つの超大国によって抑えられてきた紛争の解放 内部崩壊によって防衛を含めた国家機能を自らで賄い得ない国家の出現 非国家主体による暴力の増加 コロ…

3 The Privatized Military Industry Distinguished

まず“傭兵”とは何かを明確にする。これはジュネーブ条約でも定義されている*1が、政治的妥協のため、国家間の紛争参加者のみ傭兵と認める(つまり内戦は除外)など限定的すぎる定義なので、本書ではより単純で現実に則した定義を用いる。 傭兵とは── 自国政…

2 Privatized Military History

いわゆる“傭兵”の歴史を略述。まず古代から中世にかけて。エジプト、クセノポン『アナバシス』、カルタゴ(傭兵戦争)。中世イタリア(コンドッティエリ)、百年戦争と"Company"の誕生、ブリニエの戦い、スイスのパイク兵、ランツクネヒト。アルブレヒト・フ…

 主要PMFのウェブサイト

Airscan Armorgroup Dyncorp Executive Outcomes(南アフリカの法改正により解散したのでサイトがないため、web archiveから) KBR (Kellogg, Brown & Root) ハリバートンの子会社 MPRI Sandline Vinnell(ノースロップ・グラマンの子会社)

 "Corporate Warriors"

Part I The Rise 1 An Era of Corporate Warriors? 2 Privatized Military History 3 The Privatized Military Industry Distinguished 4 Why Security Has Been Privatized Part II Organization and Operation 5 The Global Industry of Military Services…

1 An Era of Corporate Warriors?

まず章の頭でシエラレオネ、クロアチア、コソボでPMFが戦況を左右する働きをした経過を略述。 公的/私的領域の分割は近代政治思想における主要な論争点の1つだった。この2つの領域を分ける線をどこに引くかは時代によって様々であり、費用やサービスの質…