Iraq

"Can't Win with Them, Can't Go to War without Them"

このあいだのブラックウォーターの事件に関して、『戦争請負会社』著者のピーター・ウォレン・シンガーのレポート。サマリーから一部引用すると── The use of private military contractors appears to have harmed, rather than helped the counterinsurgen…

ポール・グリーングラス、イラクの映画を撮る?

BBCの記事によると、ポール・グリーングラスがイラクを舞台にした映画の撮影を計画していることをアナウンスした。 原作はこのあいだ採りあげたRajiv Chandrasekaranの"Imperial Life in the Emerald City: Inside Iraq's Green Zone"。どういう映画になるの…

イラク研究グループ公式報告書、要旨の翻訳

イラク研究グループ(Iraq Study Group)の公式報告書が発表された。本文は全96ページ。大きく「現状評価」と「勧告」に分かれている。勧告は79点ある。一応ざっとは読んだ。「現状評価」はよい出来で、有用。相当悲観的な内容を包み隠すことなく書いている…

CPA - 共和党バグダッド支部

ワシントン・ポストの記者が書いた本はだいたい本紙に編集した抜粋が載る。上のリストで言うと、Shadid、Ricks、Chandrasekaranの本だ。とりわけ、Thomas Ricksの"Fiasco"の抜粋前後編は相当の衝撃をもって迎えられた。 "In Iraq, Military Forgot Lessons o…

James Risenの"State of War"翻訳出てた

2006年のピューリツァー賞を受賞した(参照)ジェームズ・ライゼンの著書が『戦争大統領』ASIN:4620317802で9月に出版されていたみたい。 しかしなんでこのへんの本はみんなトンデモ本くさい表紙なんだろう。 リチャード・クラーク『爆弾証言 すべての敵に…

Iraq Study Group

共和党が中間選挙で敗北、ラムズフェルドがついに辞任し、後任にロバート・ゲイツが就いた。ロバート・ゲイツはイラク研究グループ(Iraq Study Group)のメンバーから国防長官に就いたということで、このグループの提案が今後のイラク政策のカギを握るので…

Crossing the Desert without Precautions

1999年に米軍が実施したシミュレーションでは、イラク侵攻と戦後統治に40万の兵力が必要で、それでも失敗の可能性があるという結果が出ていたというニュース。情報公開法による文書開示で明らかになった。 A series of secret U.S. war games in 1999 showed…

イラク連邦化へ?

ここで触れたSCIRIのイラク連邦化に向けた動きだが、昨日イラク議会で法案が可決成立した。SCIRIとクルド人政党+α*1で140票の賛成票を集め、定員275名の議会の過半数をかろうじて達成。スンニ派政党、サドル運動、ファディーラ党はボイコットした。 だが、…

A Confederacy or Statelets?

イラクの分裂について、専門家やマスコミが語ることも珍しくなくなってきたが、そうした方向についていくつかの動きをまとめる。 シーア派の最有力組織、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の指導者アブドゥル・アジズ・アル=ハキムが南部シーア派諸…

トルコ-クルディスタン関連

28日、アンタルヤ、イズミル、マルマリス、イスタンブールなどで連続爆弾攻撃があった。トルコの観光産業にダメージを与えることを狙った攻撃である。クルド自由の鷹(TAK)がマルマリスの件については犯行声明を出している。TAKは去年類似した爆弾事件でも…

トルコとクルド人のあいだで緊張高まる

先月あたりから断続的に報道されていたが、トルコとイラク北部のクルド人のあいだで衝突の危険が高まっている。 トルコがテロ組織認定しているクルド人労働党(PKK)が、イラク北部のクルド人地域にキャンプを構え、トルコ領内にゲリラ的攻撃を仕掛けている…

"What to Do in Iraq: A Roundtable"

Foreign AffairsのJuly/August 2006号に"What to Do in Iraq: A Roundtable"という興味深い記事が掲載された。4+1人の専門家がこれからイラクでアメリカは何をすべきかを論じた討論会である。以下は議論の要約。

ブッシュ vs. カミュ

フォルダ整理していたら見つかった。ちょっと時期を逸している感はあるが、とりあえず。 しかしアブグレイブが露見したときは「これで何もかも吹っ飛ぶ(吹っ飛べ)」と思ったんだがなあ。"A few bad apples"の仕業ってことで逃げ切ったのか……。

リアリズム vs ネオコンサーヴァティズム

友人と話していてどうもネオコン理解が陰謀論的というか、話がどうにも噛み合わないので、ジョン・ミアシャイマーの講演をちょっと翻訳した。 講演が元になっているので、文章も少々冗長で、論旨も単純化しすぎているが、ネオコンについてはまずこのぐらい大…

ティム・スパイサーの世界

代表的な民間軍事会社サンドライン*1の元CEOで、現在別の民間軍事会社イージス・ディフェンス・サーヴィス(Aegis Defence Services)のCEOであるティム・スパイサーの名が、再びニュースに浮上してきた。 Sunday Telegraphの記事によると、イージスと関係が…

"Occupation: Dreamland"

こんな映画があるらしい。2004年冬のファルージャってことは1回目のファルージャ総攻撃の前か。 それはそうと、IEDってのが今ひとつわからん。どんぐらいの技術レベルが必要なものなんだろう。

ライム喰らいたちの策謀

『現代アラブの社会思想』でいわれていたアラブの陰謀史観の一例に、George Packer"Assassins' Gate"で出くわしてびっくりしたので紹介。この陰謀論のもともとの出所はトルコのスンニ派ムスリムとされている。どの程度知られたものかわからないが、Packerは…

〈ダマスカスの無冠の帝王〉 対 〈イラクの無冠の女王〉

みたいな小説とかないかなあ。「帝国主義怪物列伝」でも可。 とりあえずフロムキンの『平和を破滅させた和平』ISBN:4314009667*1を買った。この辺、知識が非常に乏しいので勉強しよう。楽しみだ。 イスラエルはイスラエルできちんと知っておきたいが、政治的…

ファルージャ、11月、2004年(リンク)

イラク戦争に対しどんな立場を採っていようとも見たほうがいいと思うが、刺激の強い映像があるので見ろとは言えない。 しかしなぜ今になって放送なんだろう。ベルルスコーニがブッシュと距離を置きはじめた(参照)のと関係があるのか。イタリアの新聞では最…

「ニューヨーカー」のイラク関連記事アーカイヴ

ってこれ前に書いたような気もするが。セイモア・ハーシュ*1とジョージ・パッカーも読める。 しかし大盤振る舞いだなあ。同じニューヨークでもNew York Timesとはえらい違いだぜ。New York Timesはブックマークしておいても、時間が経つといつの間にか有料に…

イラク戦争前のアメリカ

参考リンク。テレビを見なくなって久しいので、文章で読むだけだったブッシュ政権高官の重要演説が、PBSでまとめてみれてうれしい。 「米外交を方向付けるネオコン人脈」 「米国が模索するフセイン後体制」 Truth, War & consequences Rumsfeld's War 戦争前…

George Packer"The Assassins' Gate"書評

触発され、ひさしぶりに自分も勝手訳をやった。New York Timesに掲載されたファリード・ザカリアによるGeorge Packer"The Assassins' Gate"書評。 この本を今読んでいるところだが、自分が案外ネオコンに近いことがわかって面白い。9/11以前のロバート・ケー…