SF
ギブスン新作出るのか……。New YorkerのBriefly Notedから。 前作の小説と同じく、ギブスンはキャリアの大半を費やしてきた近未来のディストピアを捨て、ディストピア的現在を描いている。このディストピア的現在、つまりポスト9/11のアメリカは、ユビキタス…
いろいろ考えると驚くほど長生きしたといえるけど……
イーガンの第三短編集。いろんな短編でペンローズがバカにされてた気がする(「心の中の皇帝」「“魂”の量子不確定性」とか)。前のふたつの短編集と較べると内容は落ちる。「行動原理」、「真心」、「決断者」、「ふたりの距離」は大した話とは思えなかった…
ずっと前(今年8月)のニュースだが、ブクマ整理していたら見つけた。 監督はテリー・ギリアム、ディック役は『サイドウェイ』・『アメリカン・スプレンダー』のポール・ジアマッティ。ジアマッティはなんでもディックの大ファンらしく、プロデューサーまで…
タイトルは"JAMES TIPTREE, JR. The Double Life of Alice B. Sheldon" ASIN:0312203853。著者はJulie Phillips。New York TimesやSalonに書評が出ている。 Sheldon and her mother were very much alike -- but not exactly, and that difference seems to …
前に感想書いたJon Courtenay Grimwoodの《アラベスク》3部作のしっかりした書評。感想書いた当時、特に調べないで書いたが、やっぱり『アレクサンドリア四重奏』は念頭にあったんだな。 このブログには他にもティム・パワーズの"Declare"の書評も。今ちょ…
「ジミ・ヘンドリックスの〈星条旗よ、永遠なれ〉を聴いたことがあるかい?」 (……) 「今度機会があったら、あの曲をちゃんとよく聴いてみるといい。あの曲が本当に国歌になってるような国を想像してみるんだ。不気味でも、ごきげんでも、ヒップでも、パロ…
すなわち、合図の号令がかかり、大天使の声が聞こえて、神のラッパが鳴り響くと、主御自身が天から降(くだ)って来られます。すると、キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し、それから、私たち生き残っている者が、空中で主と出会うために。…
昨日の集まりで話に出た、ルーディ・ラッカーのある短編のオチで名前が挙がる*1シルバーサーファーとはこの方です。銀河系から出られないじゃなくて、地球から出られない、でした。 *1:邦訳では名前は出てこない。
Salonでティム・パワーズの新作短編集"Strange Itineraries"の書評が上がってたけど、簡単に触れられた旧作2つのほうが面白そうだな。最近ハードな本ばっかり読んでるから、ペーパーバックの娯楽ものが読みたいなと思ってて。 "Declare" ISBN:0380798360 米…
アフリカとSFってことでマイク・レズニック『キリンヤガ』ISBN:415011272X?って聞かれたけど……。自分『キリンヤガ』嫌いなんだよな。そもそも設定*1からして嫌ったらしいし。特に連作短編中最高と評価される「空にふれた少女」なんか、主人公が最後にする偽…
国書刊行会! 神!
おもしろすぎて一気に読み終えてしまった。もったいない。今までの短編集の中で一番作品の平均点が高いと思った。でも、あいかわらずオチは唐突な短編が多い。「ミドリザルとの情事」は「メタファーかと思ったらメタファーじゃなかった!」ってオチ? しかし…
は上でダウンロードできるようになってた(id:ita:20050626#p1経由)。Creative Commonsでライセンスされているけど、NoDerivativeだから翻訳は勝手にできないやつだな。
今更ながらジョン・ヴァーリイ「ブルー・シャンペン」とウィリアム・ギブスン「冬のマーケット」の親近性に気づいた。どっちも好きな作品なのに(前者のほうが好き)気づくのが遅すぎる。もうダメだ…… >
あ、思い出した。昨日〈特異点〉関連でいろいろまわってて見つけた記述。 In the 1970s and 1980s, Stross published some role-playing game articles for Advanced Dungeons & Dragons in the White Dwarf magazine. Some of his creatures, such as the g…
チャールズ・ストロスによる〈特異点〉に関するwiki。やたらエフェクトの凝ったwikiだな。 〈特異点〉(Singularity)は1980年代にSF作家/数学者のヴァーナー・ヴィンジによって提唱されたコンセプト。数学や物理の特異点と区別するためにTechnological Sin…
そういえばトマス・ディッシュのSF論"The Dreams Our Stuff Is Made of"にこんな記述があった。 "It was there the one time I met Theodore Sturgeon and was persuaded to sample the nudist lifestyle and invited to stay overnight for a threesome wit…
裏のあらすじ(ここを参照)がいくらベイリーといえども奇ッ怪すぎるので二の足を踏んでいたが、いつものベイリーだった。むしろベイリーにしてはわかりやすい。物語的結論は『虎よ、虎よ!』と同曲。 今まで読んだベイリーの長編を好きな順で並べると── 『…
ディッシュといえば彼のSF論"The Dreams Our Stuff Is Made Of"を読み中だが、予想に反して正統的なSF論になっていると思う。 いろいろ面白い話があったのだけど*1、一番驚いたのがこれだ。さて、以下のXは誰でしょう? あるいはXを例にとってみよう。後にわ…
ベイリーのくせに話がわかりやすいぞ! そこが不満……。哲学なり、人工知能なりをきっちり勉強しているのが目に付いてしまった。
『暗闇のスキャナー』のトレイラーがアップされてた。スクランブルスーツきたぜ!
ドライコ6部作の完結編、ついに読了。 本作におけるウォマックの文体上の挑戦は60年代(あるいはそれ以前のビートニク風jiveというべきか)のヒップスターの語り口を再現する点にある。この点については、十分に通暁しているわけではなくウォマックの試みが…
翻訳出るのか! しかし誰が訳すんだろう。以下の書評の部分を見ても、膨大な文化的背景知識と言語的センスが必要に思えるが。 the plot manages to encompass pop music from punk rock to rap, avant-garde art, graffiti, drug use, gentrification, the N…
祭りに向けて"Going,Going,Gone"を読もうと思っていたが、時間的に無理っぽいので"Ambient"再々読に変更。すべて理解するつもりで読む。 はっきりとしたネタバレはできるだけしませんが、未読の人は読まないほうがいいでしょう。というより未読の人が読んで…
いつの間にかラッカー先生までブログを書いてた。あと今年の秋にラッカーの人生の集大成的ノンフィクション"The Lifebox, the Seashell, and the Soul"(詳細ページ)が出るとのこと。これは買わないと。
といいつつ読了。id:Projectitohさんがここで“「スキズマトリックス+スパイ小説」の『必殺の冥路』”と書いていたが確かにそのとおりというほかない。臆面もないパクリ精神。 例えば、 ネオ改造主義者はどんなトラブルとも無縁な存在となるよう、自分たちを…
3枚目は脳スコープ?
第1章を発見。ディッシュのSF論。『アジアの岸辺』の解説で触れられてて面白そうだったのでメモ。 「アメリカは嘘つきの国である。であるからして、SFにはわが国の国民的文学としての正当な資格がとりわけあるといえよう。なぜならSFこそ人々が聞きたがり、…
読了。 表題作「アジアの岸辺」のような作品を味読する能力を失ったので、十分に味わいきることはできなかったが、より「ディッシュらしい」悪意と黒い笑いに満ちた短編は期待通りの面白さ。「死神と独身女」、「第一回パフォーマンス芸術祭、於スローターロ…