シオドア・スタージョン『輝く断片』ISBN:4309621864

おもしろすぎて一気に読み終えてしまった。もったいない。今までの短編集の中で一番作品の平均点が高いと思った。でも、あいかわらずオチは唐突な短編が多い。「ミドリザルとの情事」は「メタファーかと思ったらメタファーじゃなかった!」ってオチ? しかし…

チャールズ・ストロス『アッチェレランド』

は上でダウンロードできるようになってた(id:ita:20050626#p1経由)。Creative Commonsでライセンスされているけど、NoDerivativeだから翻訳は勝手にできないやつだな。

Book Baton

奈々子さん(id:hisamura75)に頼みこんでもらいましたよ。下では考えながら楽しい時間が過ごせるとか書いているが、これはこれで悩みが尽きず。持っている本の冊数2000〜3000冊ぐらい。 かつては抗しがたい欲望に駆られて読みそうもない本も相当買っていた…

"Complete New Yorker" ISBN:1400064740

雑誌New Yorkerの創刊80周年を記念して、1925年2月の創刊号から2005年2月までを8枚のDVDに収めたもの。表紙からカートゥーン、広告まで完全収録とのこと。 ほしい! けど100$か…… 買うならAmazon.comで買った方が送料含めても安くすむな。

リベリア内戦の本

Stephen Ellis"The Mask of Anarchy: The Destruction of Liberia and the Religious Dimension of an African Civil War"ISBN:0814722199。この本を買った目的は主に3つ。 P.W.Singer"Children at War"ISBN:0375423494リベリアの内戦の70%、シエラレオネ…

神話創造者

ミシェル・ウエルベック、ラブクラフトを語る。 ウエルベックが作家としてのキャリアのスタート時に上梓した『H.P.ラブクラフト 世界に反対し、人生に反対して』という評論が英訳されたのを受け、一部分を編集して掲載したもの。

 スチュアート・ダイベック「ロヨラアームズの朝食」

白水社のホームページにあった。『夜の姉妹団』に入ってた同著者の「ぼくたちはしなかった」はどうということもない作品だと思ったが、これはいいね。いや、単にエロティックな話だからかもしれないけど……。

"Krieg dem Kriege"

ソンタグの"Regarding the Pain of Others"で知った。 "Krieg dem Kriege"("War against War")は1924年に反戦主義者エルンスト・フリードリヒによって出版された写真集。 フリードリヒは一種のショック療法によって戦争に対する忌避感を引き起こそうとした。…

デイモン・ラニアン

ウォマックの"Going, Going, Gone"の背表紙の評に"Like Damon Runyon and James M. Cain, Jack Womack has a gift for inventing oddball language..."とあった。デイモン・ラニアンについては聞いたことがなかったので調べたら、知らないのが恥ずかしいぐら…

Amazon.comの新機能

Wiredの記事"Judging a Book by Its Contents"で知る。 以下は各機能の概要。Wiredでは『白鯨』が例に挙がっているので、その各値も書いておく。Readabilityまず、Readabillity(可読性)。3種の指標を用いて、本の読みやすさをインデックス化。どの指標も…

 伊藤公雄『光の帝国/迷宮の革命』ISBN:4787230611

マラパルテでググって発見した本書、目次を読めば察せられるように、マラパルテ以外にもいろいろ面白いトピックがあり、なかなかの拾いものだった。

 新技術で古パピルスの解読に成功

オックスフォード大の科学者グループが赤外線写真技術を用いて、オクシリンコス・パピルス(wikipediaの項)の解読不可能だった部分を判読することに成功した。 今回の解読により、ギリシア・ローマの文献*1が20%増加すると見込まれている。解読された文章…

バリントン・ベイリー『禅〈ゼン・ガン〉銃』ISBN:4150105790

裏のあらすじ(ここを参照)がいくらベイリーといえども奇ッ怪すぎるので二の足を踏んでいたが、いつものベイリーだった。むしろベイリーにしてはわかりやすい。物語的結論は『虎よ、虎よ!』と同曲。 今まで読んだベイリーの長編を好きな順で並べると── 『…

Turn left, turn right

ディッシュといえば彼のSF論"The Dreams Our Stuff Is Made Of"を読み中だが、予想に反して正統的なSF論になっていると思う。 いろいろ面白い話があったのだけど*1、一番驚いたのがこれだ。さて、以下のXは誰でしょう? あるいはXを例にとってみよう。後にわ…

Adam Hochschild "King Leopold's Ghost" ISBN:0618001905

『戦争請負会社』を読み終わって、アフリカのコロニアリズム期に関心が出てきた。世界史の授業でもこの辺はセシル・ローズやらエジプトやらにちょっと触れたぐらいでほとんど知らないし。 そこで『戦争〜』でもビブリオであげられていた上の本を買ってみる。…

 バリントン・ベイリー『ロボットの魂』ISBN:4488697046

ベイリーのくせに話がわかりやすいぞ! そこが不満……。哲学なり、人工知能なりをきっちり勉強しているのが目に付いてしまった。

Amazon.comによる本の引用関係表示

Amazon.comを久しぶりにみたら、本の引用文献と、逆にその本が引用を受けている書籍が表示されるようになっていた。例えば"Corporate Warriors"だとこんな感じ。

メディア-暴力の神話

SalonのHarold Schechter"Savage Pastimes: A Cultural History of Violent Entertainment"の書評で知った記事。この本はメディアの技術的移行がある度に、暴力的な娯楽作品も花開き、その都度メディアの暴力性について激しい非難が巻き起こってきたことを文…

 Amazonから届いた本

Mike Davis "City of Quartz" ISBN:0679738061 『要塞都市LA』ISBN:4791758781訳が出ている。友だちの読書報告があまりに楽しそうなので購入。邦訳では著作権者に連絡が取れず、写真が省かれているようだが、この写真が実にいい(この表紙を見よ!)。また、…

 オーラル

Legs McNeil編の2作。どちらも編集者の解説やコメント*1はまったくなく、当事者本人と周辺の人々の言葉の引用に次ぐ引用から構成されるスタイルとのこと。そして、どちらも相当面白そうだ。 "Please Kill Me: The Uncensored Oral History of Punk" ISBN:01…

Jack Womack "Going,Going,Gone" ISBN:0802138667

ドライコ6部作の完結編、ついに読了。 本作におけるウォマックの文体上の挑戦は60年代(あるいはそれ以前のビートニク風jiveというべきか)のヒップスターの語り口を再現する点にある。この点については、十分に通暁しているわけではなくウォマックの試みが…

 伊藤公雄『光の帝国/迷宮の革命』

マラパルテで検索していて見つけた。現代イタリアの左翼運動については前々から興味があったので、本屋でチェックしてみて良さげだったら買おう。マラパルテ『壊れたヨーロッパ』も古本で手に入った。同書には訳者によるマラパルテの詳細な経歴も記載されて…

 岩波文庫が熱い

ある時期を境に岩波文庫を熱心にチェックしなくなったけど、最近のラインナップはすばらしい。 シラノ・ド・ベルジュラック『日月両世界旅行記』 新訳! カレル・ゼマン上映に伴っての翻訳だったのか? ヴォルテール『カンディード』 これも新訳だ! 「ミク…

 ハンター・トンプソン死去

Boing Boing経由。CNNの記事。銃で頭を撃ち抜いての自殺とのこと。 あの古くて邪悪な勢力に対する勝利がまちがいないって感覚。それは軍事的な意味の勝利ではまったくない。そんなのは必要なかった。おれたちのエネルギーが単純に広まり栄える。戦ったりする…

 届いた本

Amazonから届いた本。 松本仁一『カラシニコフ』ISBN:4022579293 ウォマック祭りでお二方より薦められた本。値段が中途半端だったのでカートに入れたまま買うの忘れていた。パラパラ斜め読みしただけでもすばらしい写真が何枚も見つかり、それだけで満足だ(…

 ジョナサン・レセム "The Fortress of Solitude"

翻訳出るのか! しかし誰が訳すんだろう。以下の書評の部分を見ても、膨大な文化的背景知識と言語的センスが必要に思えるが。 the plot manages to encompass pop music from punk rock to rap, avant-garde art, graffiti, drug use, gentrification, the N…

 トマス・ナッシュ

ウォマックがアンビエント語の創造に際して参照した『悲運の旅人』とその著者、トマス・ナッシュについて調べ中。1594年、世に現れた『悲運の旅人』(リンク先でダウンロードできる)は英語で書かれた初のピカレスク小説*1とみなされている。同時に英国初の…

 ジャック・ウォマック "Ambient"メモ

祭りに向けて"Going,Going,Gone"を読もうと思っていたが、時間的に無理っぽいので"Ambient"再々読に変更。すべて理解するつもりで読む。 はっきりとしたネタバレはできるだけしませんが、未読の人は読まないほうがいいでしょう。というより未読の人が読んで…

 クルツィオ・マラパルテ

『戦争報道の内幕』の感想を書いたときに言及したクルツィオ・マラパルテだが、かなり有名な人物だったらしい。 調べると相当に特異な男で実に面白かったので、主にこのページから得た情報をまとめてみる。クルツィオ・マラパルテクルツィオ・マラパルテ(18…

 山口翼 編『日本語大シソーラス』ISBN:4469021075

買っちまいました。15000円也。仕事に必要なんだと自分を納得させたが、値段分の使い出があるかどうかは微妙。しかし自分の散見したかぎり、これ以外の類義語辞典はなんら役にも立ちそうになかったのでしょうがない。しかし、単独編者山口翼氏の神経をすり減…