新技術で古パピルスの解読に成功

オックスフォード大の科学者グループが赤外線写真技術を用いて、オクシリンコス・パピルスwikipediaの項)の解読不可能だった部分を判読することに成功した。
今回の解読により、ギリシア・ローマの文献*1が20%増加すると見込まれている。解読された文章はギリシア語が主だが、ラテン語ヘブライ語コプト語アラム語などのテキストも含まれており、総計で500万ワードにのぼると推定されている。
解読部分に含まれる作品/作者として、ルキアノスの失われた小説、エウリピデスの未知の断片、パルテニオスの詩、ヘシオドス、アルキロコスのエレゲイアなどが見つかっているようだ。さらに、ソフォクレスの今まで知られていなかった悲劇『エピゴノイ』の断片も発見されている。
おそらく分類が完了しても完全な形で見つかる作品はないと予想されるが(つまり断片)、ギリシア・ローマの文献の大半が失われている現状では、それでも非常に大きな発展が期待できる。例えば、今まで失われずに残っていたアルキロコスの詩は500行余にたいし、今回現時点でも30行が見つかっている。ギリシア三大悲劇詩人の一人ソフォクレスは生涯123篇の劇を作ったとされているが、完全な形で現存するのは7篇しかない。

*1:原文の"great Greek and Roman works"って何から何までを含んでいるかよくわからん。