ウォルター・ジョン・ウィリアムズ『必殺の冥路』ISBN:4150109192

といいつつ読了。id:Projectitohさんがここで“「スキズマトリックス+スパイ小説」の『必殺の冥路』”と書いていたが確かにそのとおりというほかない。臆面もないパクリ精神。
例えば、


 ネオ改造主義者はどんなトラブルとも無縁な存在となるよう、自分たちを遺伝子的に進化させようとしている。
 それとは逆に、運命論者はみずからを機械と結合させ、本来の寿命をうんと引き延ばし、自分と自分に理解できないこととのギャップを人工知能に埋めてもらおうともくろんでいる。
……そのまんまじゃねえか。しかも話にほとんど関係ないし。他にも「プリゴジン的散逸」という言葉が出てきたり。
しかしウォルター・ジョン・ウィリアムズは冒険小説としてのツボは外さない男なので、読んでる間は非常に楽しかった。
ところで、サイバーパンク・ブーム後くだらないエピゴーネンが百出したというような物言いを聞くが、日本で訳されているのはウォルター・ジョン・ウィリアムズやエフィンジャー、どちらもかなりよい作家なのでいまいちピンと来ない。ほかにも誰かいたかな? 当然翻訳されていない本でたくさんつまらないのがあるのだろうが。