SF

ブルース・スターリング "Luciferase"

スターリングの新作?短編。帰ってきたら読もう。今さらだが、ここのアーカイヴは宝の山だな。ディレーニイの「コロナ」だ! 『アジアの岸辺』にはいってた「降りる」、「カサブランカ」もあったよ。

シオドア・スタージョン『時間のかかる彫刻』 ISBN:4488619029

サンリオSF文庫『スタージョンは健在なり』の復刊。『海を失った男』や『不思議のひと触れ』に収められている作品のような爆発力はないけど、愛すべき小品集といった趣き。人間心理に関してのスタージョン流の観察がメインの作品が多数を占める。SF味は…

 イアン・ワトスン『エンベディング』ISBN:4336045674

イギリスの病院で繰り広げられる人工言語の人体実験。アマゾン奥地の部族がドラッグによる恍惚の中で用いる奇怪な言語。そして突如訪問した異星人。この3つのプロットが言語を軸に絡まりあい、奇怪な言語理論が展開される…… 以下、ネタバレを含む。

 映画『暗闇のスキャナー』は

2005年9月16日公開(アメリカ)が決まった模様。ヒロインはジェニファー・コネリーがよかったな……。ウィノナ・ライダーも初期の『ヘザース』とか好きだけど。おっと、『ナイト・オン・ザ・プラネット』もいいね!

 『エンベディング』読み中だが

完全な埋め込み言語(というのもよくわからんが)によってなぜ認識の変容が起こるのかがわからん。ルーセルの『アフリカの印象』は未読なのでそこから例を取ることはできないが、R・D・レインの"Knots"(『結ぼれ』)から埋め込みの例をあげてみる。 So Ji…

 アルフレッド・ベスター『願い星、叶い星』

読了。なんか既読作品が多かったな。感想は以前『世界のもうひとつの顔』を読んだときと変わらず。面白いけど誰にどう勧めたらわからない感じ。「ごきげん目盛り」、「昔を今になすよしもがな」はやはり良かったが。 あ、大したことじゃないけども「地獄は永…

 グレッグ・イーガン『万物理論』

読了。読み終わったら少々不満もあり(例によって広げた風呂敷の畳み方に不満)、少なくともSFアイデアの爆発力でいえば前2長編に及ばないとは思うが、イーガンの集大成的作品として目配りのきいた間口の広い作品になっている。小説としても前2作と比較す…

 『銀河ヒッチハイク・ガイド』ラジオ

新作の第3シリーズがやってたみたい。何年ぶりの話だろう? 公式サイトは面白い。生命、宇宙、万物への究極の解答もわかるし。 映画化もするようだ。

SF

"Bug Jack Barron"のムアコックによるあとがき、見直したら結構抜けがあったので補うとともに、訳文もちょっと手直しした。どうせなら全訳しちゃいたいが。

Neal Stephenson "System of the World"

『クリプトノミコン』の前日譚、The Baroque Cycle三部作の完結編が出たようだ。Salonのこの記事で知った。3作で2600ページほど。面白そうなんだけどなあ…… 物には限度ってもんがあるだろ。 SlashdotやWiredで書評出るかな。とりあえず前にも貼った"Confusi…

 Jon Courtenay Grimwood "Felaheen"

以前読んだ"Pashazade"、"Effendi"に続く〈アシュラフ・ベイ〉シリーズの第3弾(完結?)、"Felaheen"を読み終わった。 "Pashazade"で主人公アシュラフの父親であるとされたチュニジアのアミル(首長)。彼が治めるチュニジアはバイオテクノロジーの人体使…

 ジャック・ウォマックとアレックス・コックス

たまたまインタビューを続けて読み、政治的見解の近さが面白かったのでリンクしておこう。ウォマックはここ。アレックス・コックスはここ。

ニール・ゲイマン "A Study in Emerald"

どうも最近慣れない政治方面に偏っていたので、方向修正。今年のヒューゴー賞ショート・ストーリー部門受賞作、"A Study in Emerald"(「翠色の研究」かな)を読んでる。 しかしシャーロック・ホームズ+クトゥルフ神話か*1。こういうパスティーシュ的作品に…

ウィリアム・ギブスン、19歳(CBS)

60年代の映像を探してて発見。 若い! だが変わってねえ! ここを見るとあたりまえだが本人のようだ(良く読むとCBSのところにも書いてあった)。徴兵逃れでカナダに移住した時期か。

 Jon Courtenay Grimwood "Effendi"

前に読んだ"Pashazade"の続編、"Effendi"を読み終わった。 これはしかし続編というより上下巻と考えるべきだな。"Pashazade"の話が終わった日付の少し前から始まって、残されていたいくつかの疑問点がこの"Effendi"で解決されるし。そういうわけで下巻の解説…

 『タイタンの妖女』Amazon5位!

はどうもこういうことらしい。爆笑問題の太田さんのヴォネガット好きは有名だからいいとして、泣けるかなあ。別に泣けるような話でもないと思うが。もう泣く泣かないとかとは別の次元に行ってるだろ。あと普通の人のSF耐性の低さを考えないといけないような…

 翻訳SFファン度調査(id:hisamura75さまより)

読みたいの全部チェックしても109冊だった・・・ つまり俺の最大SFぢからはその程度だということですね。64/109(現在/最大SFP)

 デ○レ○ニ○のアレ(古沢嘉通さん)

普通に考えたらダで始まってンで終わる(いやDで始まってnで終わるというべきか)長篇? にわかには信じられん・・・ 待て待て、そもそもデ○レ○ニ○にあてはまる名前の推理からして間違ってるかもしれんぜ!?

 届いた本とCD

Jon Courtenay Grimwood "Effendi" ISBN:0671773690 Jon Courtenay Grimwood "Felaheen" ISBN:0671773704 "Pashazade"の続編。 ジョン・ヴァーリイ 『ブルー・シャンペン』 ISBN:4150110719 誰かにあげたのか貸したのかしらんが、なくなっていたので再購入。…

 アルフレッド・ベスター『世界のもうひとつの顔』

急に思い出してネット経由で手に入れて読んだ。 『虎よ、虎よ!』や『分解された男』のような怒濤の語り口を期待して肩すかしをくったよ。「時間は裏切りもの」「ピー・アイ・マン」には上の2長篇の雰囲気があるが(前者のワイドスクリーンバロック的な珍心…

 Jon Courtenay Grimwood

"Pashazade"の著者のサイトを発見。元々はジャーナリストなのかな? 記事とかインタビュー(ギブスン、ニール・スティーブンスン、クープランドら)もある。 "Pashazade"では主人公の秘密は中途半端にしか明かされなかったけど、紹介を読むとその辺は3巻(…

 ジョン・ヴァーリイ『スチール・ビーチ』

面白いは面白い。文庫上下で1000pぐらいあるのを2日で読み終わるぐらいだし。ただ、ハイパーテクノロジーがガンガン出てくる割には登場人物が現代的というか、普通っぽすぎる。性別をいつでも自由に変更できたり、クローンを用意しておいて死んだあと…

 Jon Courtenay Grimwood "Pashazade" ISBN:0743468333

ストロスのインタビューで触れられてた"Pashazade"、読んだ。 改変歴史物。第1次世界大戦でアメリカが参戦せず、同盟国側の勝利に終わる。その結果ドイツは強大な地位を保ち、いまだ帝政のまま健在。オスマン=トルコも崩壊するどころか勢力を拡大し続け、…

 ジョナサン・レセム 『マザーレス・ブルックリン』

彼の長編第1作『銃、ときどき音楽』はかなり前に読んでいた。この『銃、ときどき音楽』は作者本人のインタビューでの発言にもあるとおり、P・K・ディックの世界とレイモンド・チャンドラーの文体をミックスしたようなSFハードボイルド。タフでハードボイ…

シオドア・スタージョン『海を失った男』

むーん、読んだけどなんか微妙だ。こんなこと言うと自分の文学的鈍感さを白状するようだけど、『不思議のひと触れ』のほうが満足感があったかも。 もちろん「海を失った男」、「ビアンカの手」、「墓読み」は傑作(特に前2つ)で、「海を失った男」に至って…

 『暗闇のスキャナー』

http://www.philipkdick.com/films_scanner-061204.html ちょっと遅くなったが『暗闇のスキャナー』続報。ロバート・ダウニーJrがバリス、ウディ・ハレルソンがラックマン、ロリー・コクレインがフレック。ダウニーは黒すぎるな。もっと青白くなってくるべき…

 ハヤカワ文庫SFの表紙一覧(リンク)

主にThornくん宛て。もう知ってるとは思うが。僕は昔のSFのバタくさい絵のほうが好きなんで、こうして一眸のもとに見渡せて満足だ。『ユービック』(SF314)とか前はこんな表紙だったのか、とうれしい発見。割れ顎の男。 しかし見たことないのばっかだな。レ…

 ジョナサン・レセム インタビュー(リンク)

ちょいベン・スティラー似。第一作の『銃、ときどき音楽』(アマゾンのリンク)は早川SFで出てたが、それ以降も最近のアメリカ作家らしくジャンルにとらわれないような作品をいろいろ書いてる。5作目の"Motherless Brooklyn"は99年の全米批評家協会賞を受賞…

 ルーディ・ラッカー『ソフトウェア』

すみません、前に『ソフトウェア』の映画のデザインはメビウスがやってたと書きましたが、シド・ミードの間違いでした。道理で検索しても引っかからなかったわけだ。しかし許される間違いじゃないなあ。人によってはハラキリものだ。どうしてメビウスと勘違…

 『時空の支配者』ISBN:4150110921(リンク)

FLiXの記事。「SFスリラー」「現実をコントロールする仕方を発見した二人のマッド・サイエンティスト」・・・うん、なんだかすごい悪人の話みたいだ。後者は間違っちゃいないけど。 でもやっぱりちゃんと映画化が成功し、品切れ本も復刊して、未訳ものも翻訳…