トルコ-クルディスタン関連

28日、アンタルヤイズミル、マルマリス、イスタンブールなどで連続爆弾攻撃があった。トルコの観光産業にダメージを与えることを狙った攻撃である。クルド自由の鷹(TAK)がマルマリスの件については犯行声明を出している。TAKは去年類似した爆弾事件でも犯行声明を出している。クルド自由の鷹とPKKが関連組織なのかどうかは専門家のあいだでも意見が分かれているという。ただ、トルコ当局はこれらの爆弾攻撃にPKKが関与しているとみなしている。

一方、イラク北部の国境地帯においてのトルコの軍事行動にも新しい動きがあった。イランの関与だ。イラン国内にもクルド人コミュニティと、PKKの姉妹組織であるPejakがあり、Pejakは最近活動を活発化させてきていた。このためトルコとイランは一種の共同作戦に踏み切ったようだ。トルコ、イランそれぞれの派兵の規模はわからないが、Guardianの記事には"Turkey and Iran have dispatched tanks, artillery and thousands of troops to their frontiers with Iraq"とある。

CS Monitorの記事では、イランの目的はトルコ-アメリカ間の関係にくさびを打ち込むことだとする専門家の意見がある。この作戦によって「アメリカは何もしてくれないが、イランは手を貸した」と言えるようになるとというのだ。アメリカもクルド-トルコ人対立の拡大を懸念しており、PKK問題に関してトルコ-イラクの共同戦略を定式化すべく、近く特別使節を任命する予定である。