アルフレッド・ベスター『世界のもうひとつの顔』

急に思い出してネット経由で手に入れて読んだ。
『虎よ、虎よ!』や『分解された男』のような怒濤の語り口を期待して肩すかしをくったよ。「時間は裏切りもの」「ピー・アイ・マン」には上の2長篇の雰囲気があるが(前者のワイドスクリーンバロック的な珍心理学というか苦悩する脳の秘密のパワー!みたいな理屈とか)、ほかは良くも悪くも肩の力が抜けた作品で、むしろ軽妙な会話や洗練されたセンスに眼目がある。つまらなくはないけど、別になあ・・・という感じで人に勧めがたい。
そういえば、『虎よ、虎よ!』の原題って"The Stars My Destination"だと思ってたら、イギリス版のほうが"Tiger, Tiger!"なんだな。ウィリアム・ブレイクは高校のとき好きだった。英語の全集一巻本を持ってるぐらい。といってもまともに読んだのは"Songs of Innocence and of Experience""The Marriage of Heaven and Hell"ぐらいだけど・・・ そういや『レッド・ドラゴン』でもブレイクはとりあげられてたな。これ。ああなんかこれもどっかで書いた気がするなあ。