2006-01-01から1年間の記事一覧

『フーコーの振り子』ISBN:416725445X

陰謀というものは、陰謀という言葉どおりのものなら、秘密のものでなければならない。それを知っていれば他人よりも欲求不満にならなくて済むような秘密は必ずあるはず。なぜなら、その秘密が救いをもたらしてくれるかもしれないし、その秘密を知っているだ…

The Pulp Canon

marginaliaさんのエントリをたどって見つけた。パルプ小説といえばあの独特のカバーアートだが、西洋文学の古典のパルプ風カバーをアーティストに描いてもらったという記事。惹句のセンスがすばらしすぎる。『白鯨』・『若草物語』もいいが、なにより『イリ…

仕立屋の最後?

リベリアの元大統領チャールズ・テイラーのシエラレオネの国際法廷移送を記念して(といっても一ヶ月前だが)、NYTから翻訳。リベリア・シエラレオネについて自分でまとめるつもりだったが、楽な方でお茶を濁しておく。マルチメディア・エッセイ"A Horrific …

"5 Truths About Darfur"

ダルフールに関してかなり突っ込んだ記事がWashington Postに掲載されていたのでリンク。 とりわけ最後の'The "genocide" label made it worse'は自分が書いたことに近いので参考として簡単に訳しておく。 5.ジェノサイドのレッテルは状況を悪くした 世界…

ピューリツァー賞の受賞作

ピューリツァー賞の受賞作が発表されていた(参照)。ハリケーン・カトリーナ関係が多い。自分が興味あるのをピックアップすると──

ダルフールの展開

国際的介入の展望を書いたけど、自分で書いておきながら何をいわんとしてるかわかりにくいな。つまりこういうことです(最初からこう書いてソースで補強すればよかったのか)── 国連、あるいはNATOの懲罰的介入、強制行動はない。 平和維持にせよ、人道活動…

ミヒャエル・ハネケ映画祭

あ〜、『セブンス・コンチネント』は見にいきたいなあ。レイトショーか……。

ユダの福音書

ユダの福音書(参照)が話題になっているが、ナグ・ハマディ文書ほどの大ニュースではないかな。どちらかといえば「文学的」な事件だろう。エイレナイオスの『異端反駁』によると、グノーシス主義のカイン派の文書らしい。ダウンロードしてパラパラ読んでみ…

スラヴォイ・ジジェク「誰ひとり悪党である必要はない」

諸手をあげて賛成する箇所と、そういうとこを嘲弄してもしょうがないんじゃないかな、それは左翼の駄目なところじゃ……って箇所が混じりあってて(とりわけ最後の3パラグラフ)、アップは止めようと思ったが、リベラル・コミュニストの十戒が愉快すぎたので…

ん?

the only companies holding oil exploration permits in Darfur are Jamanese,(87) 87. Block 12(500,000km2) goes from South Kordofan to North Darfur It has been allocated to Japan National Oil Corporation(a Japanese goverment company)and the s…

ダルフールとジェノサイド

http://d.hatena.ne.jp/gachapinfan/20060322#p5に関連して ダルフールはジェノサイドか id:fenestraeさんのコメントに次のようなものがあった。 ついでにいうとダルフールの場合、質的に genocide でないというのが、多くの現場を訪れたジャーナリスト、地…

書きものがまとまらなくて、プライベートモードにしてたら友だちに心配されたので、途中だけどとりあえず元に戻しておく。

Un Dimanche à Kigali

5本目?のルワンダ・ジェノサイドを扱った長編映画。上のリンクでトレイラーが見られる。フランス語だけど、カナダ(ケベック)映画のようだ。 次々とジェノサイドの映画が撮られているんだなあ。ガーディアンの記事の以下の部分なんか、いろいろ思うところ…

フランシス・フクヤマ、チーム・ネオコンから脱退

フランシス・フクヤマの新著"America at the Crossroads"の書評がいくつか出ている。なかなか面白そう。 NYT:Michiko Kakutani,"Supporter's Voice Now Turns on Bush" NYT:Paul Berman,"Neo No More" The New Yorker:Louis Menand,"Breaking Away" Washingt…

ファーガル・キーンの反論

この前訳したリンダ・メルヴァーンの記事に、本人もBBCの記者であるファーガル・キーン*1から反論がなされた。 要旨は── メルヴァーンのルワンダに関する仕事には大いに敬意を払っているが、記事が与えかねない誤解を含む正しておきたい。記事が与える印象は…

The heart of whiteness

Bookoffで買ったLifeの写真集に載ってたと友だちが興奮とともに伝えてきた、『ミシシッピ・バーニング』のモデルになった黒人殺害犯連中の公判写真。 このサイズでは分かりづらいが、ヒエロニムス・ボスもシャッポを脱ぐ、何ともいやらしくふてぶてしい面構…

リンダ・メルヴァーン「歴史だって? この映画はフィクションだ」

The Observerに掲載されたルワンダ・ジェノサイドの映画"Shooting Dogs"に対する批判記事。執筆者のリンダ・メルヴァーンはイギリスの調査ジャーナリスト。ルワンダのジェノサイドについての著書が2冊ある。"People Betrayed"ISBN:185649831Xェノサイドと国…

"A Problem from Hell"翻訳出るらしい

タイトルがアレだが。ただ予定通り出るのかどうか……。amazonにもbk1にも出てきてないし。 値段が高すぎるが、いい本なので売れてくれるといいな。

悩んだ分だけよくなるというものでもないが

だいぶ間が空いてしまったが、生存報告。ルワンダ史も内容的にはほとんど書き終わっているが、上手くまとめられない。 連載のスタイル上、客観性を僭称して書いているような形になってしまっているが、ジェノサイドそのものの記述に際してそうした姿勢を維持…

サウスパーク、サイエントロジーを笑いものに

このエントリで知ったサウスパークのエピソード。YouTubeで見られる。 スタンがサイエントロジーのパーソナリティ・テストを受けると、サイエントロジーの教祖L.ロン・ハバードの生まれ変わりであることが判明。教義を教え込まれたスタンは、その続きを書く…

連載ルワンダ史13回

更新した。 ルワンダのジェノサイドについて、フランスで修正主義の本が出されていたというのを知り、フランス語のサイトをいろいろ読んでいたため疲労困憊。Pierre Péan,"Noires fureurs, blancs menteurs : Rwanda 1990-1994"という本。著者はかなり有名な…

連載ルワンダ史14回

首相代理オルメルトって?

イスラエル首相代理となったオルメルトがどういう人物か知らなかったのでメモ。 The 60-year-old Olmert has been a fixture in Israeli politics for over three decades. He was born to a right-wing Revisionist Zionist family. His father had been a …