ファーガル・キーンの反論

この前訳したリンダ・メルヴァーンの記事に、本人もBBCの記者であるファーガル・キーン*1から反論がなされた。
要旨は──

  • メルヴァーンのルワンダに関する仕事には大いに敬意を払っているが、記事が与えかねない誤解を含む正しておきたい。記事が与える印象は何人かの勇敢なBBCの記者にフェアとはいえない。
  • UNICEFに同行していてルワンダにいたリンジーヒルサムのレポートを、BBCははじめから取り上げている。
  • BBCのマーク・ドイルが4月8日にルワンダ入りし、100日のジェノサイドの間ルワンダに留まった
  • ナイロビ駐在の記者ロジャー・ヒアリングとカメラマンのバスカー・ソランキが陸路でルワンダ入りし、4月12日にキガリに到着している。
  • BBCニュースはジェノサイドが進行中であると世界に伝えてもいない」とメルヴァーンは言うが、マーク・ドイルは4月14日の時点で、ジェノサイド的状況を誤解の余地なく描写している*2。たしかにジェノサイドという語はこの時点では使っていないが、それについてはUNAMIRのダレール少将も同様である。*3

追記。そもそも"Shooting Dogs"のプロデューサー兼原作者のデイヴィッド・ベルトン(参照)自身が当時BBCのジャーナリストとして、ジェノサイドのときにルワンダ入りしていたようだが……。

*1:ファーガル・キーンについては、ここを参照。

*2:'Before the rebels came to Kigali a few days ago, what appears to have been a deliberate plan by Hutu militias to massacre Tutsis or rebel supporters was instigated; thousands were executed by bullet or by knife.'

*3:ダレールはこうした事柄で間違った判断をしてはならないと考え、ジェノサイドと呼ぶのを控えていた。彼がジェノサイドという語を使ったのは4月の最終週だったはず。