連載ルワンダ史13回
更新した。
ルワンダのジェノサイドについて、フランスで修正主義の本が出されていたというのを知り、フランス語のサイトをいろいろ読んでいたため疲労困憊。Pierre Péan,"Noires fureurs, blancs menteurs : Rwanda 1990-1994"という本。著者はかなり有名なジャーナリストらしい。
その関連で、フランスが2004年にまとめた、大統領撃墜についての報告書もちょっと調べた。この報告書では、撃墜の命令を下したのはポール・カガメだと断定している。ルワンダに関してフランスの言うことは信用できないと考えてたいして調べもしてなかったが、今いろいろ読んでみると容易く一蹴できるほど党派的内容でもないようだ。報告書をまとめたのはどこの馬の骨だと思ったら、ジャン=ルイ・ブリュギエールだったし。ブリュギエール判事はフランスの国際テロ捜査の権威。ジャッカルのカルロス拘束を指揮したのもブリュギエールだ。
まあ、このへんは調べきれるはずもないので適当にお茶を濁すしかないな……。
追記。Péanはやっぱりジェノサイドの生存者団体から訴えられた模様(参照)。書評をざっとみたかぎり、Péanの主目標はジェノサイド実行者を助けたという汚名からフランスを救い出すことのようだ。そこで彼が採った戦略は、(1)RPFも戦争犯罪を犯していた、それにハビャリマナの乗っていた航空機を撃墜したのはRPFだ(2)ジェノサイドの計画ははっきりしていなかった、だから結局のところジェノサイドではなかった(3)というわけでどっちもどっち、なのでフランスが友好国の政府を手助けしたのは正しい──そういう論理を展開したいようだ。
しかし、(1)前段についてはそのとおり。ハビャリマナ機撃墜はよくわからない。ここであげた疑問点を解決できているかどうかが問題(2)それは無理、"Leave None to Tell the Story"読み直せ(3)どっちもどっちではない。例えばドレスデン爆撃を行ったからナチスと連合国はどっちもどっちか?
んまあ実際のところ読んでみないと何とも言えないが……