拷問のアウトソーシング

New Yorkerの記事。CIAの「特別送還」(Extraordinary Rendition)プログラムという、いわば「拷問のアウトソーシング」を目的とした計画について。米国内、あるいは国外で拘束したテロ容疑者をシリア、モロッコ、エジプト、ヨルダンなどの拷問の使用を躊躇わない第三国に“送還”し、尋問を委託する。この送還プログラムについて報告書を作成した国際法の専門家によると、推計で150人程がこのプログラムの対象となったという。
プログラムの実際例として、Timesカナダ版のいわば"Person of the Year 2004"に選ばれたMaher Ararらについて詳述。他にも元CIAのテロ専門家Michael Scheuer*1による内部情報、このプログラムによるテロ容疑者送還の報復としてケニアタンザニア米大使館爆破が行われた事実、拷問の実際的効果と付随する法的困難など、相当に読みごたえのある内容。

*1:上記プログラムの創設者の1人。最近CIAを辞め、内部批判本"Imperial Hubris"ISBN:1574888625、話題になった。