『ジェノサイドの丘』・ダルフール

といいつつダルフール危機の予習準備として『ジェノサイドの丘』を再読中。これはルワンダのジェノサイドの本だが、その後ザイール(現コンゴ民主共和国)にジェノシダレが逃げてコンゴ内戦に発展したときスーダンが関係してきている*1。流れは非常によく似てるし、「国際社会」の対応とか今のところほとんど同じだ*2。だが今回は原油がある。うーん、ルワンダのジェノサイドが起こったときのフランスの位置に日本がつく可能性(もちろん軍事介入はありえないし、もっと消極的な形だが)もあるってことか*3スーダン外相訪問に関連しての話だけど。
『ジェノサイドの丘』。すばらしい本だし、多くの人に読んでもらいたいが、こういう本を薦めるというのも何か違うという気もするしなあ。『チェチェン やめられない戦争』のときも思ったが。

*1:地図を見るとわかりやすい。ただスーダンの関係といってもごくごく間接的なものだ。

*2:ただパウエルがジェノサイドだとはっきり言明した点は大きな進歩だろう。

*3:いや、その位置には中国が既についてるのか。いや、日本も人道支援と言いつつ、支援してたのはジェノサイド実行犯ということになりかねない。

 シャミル・バサーエフ

New York Timesバサーエフの経歴について長文記事が載ってた。なかなかバランスがいい。1991年のクーデター未遂のときエリツィンを守った話やアブハジアグルジアを相手にロシア軍と共同作戦?(ここは今ひとつ真相が分かってないが)をした件も書かれている。もともと手段を選ぶ男ではなかったにせよ、独立の闘士からイスラム原理主義者への変貌の原因をこの記事では1995年、ロシア軍の爆撃により妻と娘2人を含む親類11人が殺された件に求めている。

 ロシア大統領、中央集権を強化 首長の直接選挙廃止へ

”9月革命”とロシア紙イズベスチヤは見出しで報道。まあね、背が低い人にも「背の高さは?」って聞くし、マイナス成長という言葉もあるしな。


 プーチン大統領は学校テロ事件で「ロシアの脆弱(ぜいじゃく)さが明らかになった」と認め、「国家の安全に責任を持つ強い治安機関を設立する」と表明。情報機関の連邦保安局を中核に、外国での防諜(ぼうちょう)活動を担う連邦対外情報局との再統合を視野に入れている。90年代に分割された国家保安委員会(KGB)にも匹敵する機関を発足させ、テロ対策を一元化する方針だ。
 大統領はテロとの戦いについて「今後は強い治安機関に、予防措置を含めて対テロ全般を担わせる。我々を狙うテロリストは、外国の勢力を含めて全滅させねばならない」と、先制攻撃も辞さないとする強い決意を示した。
 選挙制度の変更については、チェチェン北オセチアを含む21共和国の大統領の直接選挙を廃止したうえ、プーチン大統領が指名する候補者を現地の議会が承認するとした。67の地方・州・自治管区の首長についても同様の方式がとられ、いずれも年内の実現を目指している。また、下院選挙でも、選挙区ごとの個人立候補を廃止し、政党のみの比例代表制とする方針を示した。
文句言う奴がほとんどいないってのがすごいなあ。権力が弱められる当人である北オセチアの隣のイングーシの大統領ジャジコフなんか「建設的かつ生産的である」だと*1。たとえ文句言っても腰が引けてる。

Aleksandr Y. Khinshtein and Konstantin F. Zatulin, appeared at a news conference to criticize the parliamentary proposal, though not, they emphasized, Mr. Putin himself.
ヒンシュタインとザトゥーリン(どちらも代議員)はニュース・カンファレンスで閣僚会議の提案を批判したが、両者ともプーチン氏個人を批判しているわけではないと強調した。 
しかしザトゥーリンはこのあとこう(id:fenestraeさんより)続けているわけだから健闘しているほうか。

*1:まあこいつはプーチンの傀儡という話だが。