フレデリック・フォーサイス『ビアフラ物語』

ヤフオクで入手し読了。
ネットで「(ビアフラの)オジェク将軍に肩入れしすぎ」という評があったので不安半分だったが、いやいやこれは大傑作じゃないか。たしかにビアフラ側への肩入れは明白だが、そのことは本人が序文で断っているし、手放しの礼賛をビアフラに与えているわけでもない。また可能な限りソースと論拠を提示し、公平であろうと努める姿勢をフォーサイスは見せている。さらにこの本が1969年1月、ビアフラ戦争真っ最中に主に現地で書かれたことを考慮すれば、驚くほど明晰で綿密な調査がなされていると思う。問題点があるとすれば、フランスとビアフラの関係に紙幅を割いていない点だろうか。とりあえず自分の理解を確かめるために、ナイジェリア-ビアフラの歴史を概説してみよう。