2006年の五冊

もう年明けているが。
振り返ってみると、去年はたいして本を読まなかったことが判明。ネットで時間を浪費しすぎたみたいだ。この傾向には、英語のニュースやブログを真面目に読むようになって拍車がかかった。「積読も溜まってるし、時間の使い方を考えないと」と去年書いたが、今年はもっとひどかった。ということで、十冊は無理。そもそもブログを更新する意欲そのものが低まったし、下にあげた本も一冊も感想書いてないし……。今年は無理にでも感想を書く方向でいこう。
あとは、ついにリストにあがるのが英語の本だけになってしまった。訳されてない本が多いうえに、英語の本が安すぎるのでしょうがない。Tony Judt "Postwar"ASIN:0143037757円ちょっとだもんな。この本がたとえ翻訳されてたとしても、日本だと上下巻で1万ぐらいになるだろう。これに慣れてしまうと、アントニー・ビーヴァー『ベルリン陥落』ASIN:4560026009・ケペル『ジハード』ASIN:4782801580買えない。ただ、読むのに1ヶ月ぐらいかかりそうな本が次々と積読に並ぶという欠点もある。

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国際関係論は別だ

英語の本は安いと書いたが、国際関係論だけは別だった。
構造的リアリズムを確立した記念碑的著作であるケネス・ウォルツの"Theory of International Politics"ASIN:0075548526なのに13000円もする。コヘインとナイの"Power and Interdependence"ASIN:0321048571。概説やインタビューなどを読んで気に入ったロバート・ジャーヴィスの"Perception and Misperception in International Politics"が5000円超……。ミアシャイマーの"The Tragedy of Great Power Politics"ASIN:039332396Xミアシャイマーはassertiveすぎて自分の好みから外れる。
たぶん歴史などと違って一般人はまず読まないからだろうけど、試しに買ってみる値段じゃないなあ。もうちょっと考えよう。ウォルツの"Man, the State, and War"ASIN:0231125372

グレッグ・イーガン『ひとりっ子』isbn:415011594X

イーガンの第三短編集。いろんな短編でペンローズがバカにされてた気がする(「心の中の皇帝」「“魂”の量子不確定性」とか)。前のふたつの短編集と較べると内容は落ちる。「行動原理」、「真心」、「決断者」、「ふたりの距離」は大した話とは思えなかった。「ルミナス」は傑作だけど既読。でも残りの2つ、「オラクル」と「ひとりっ子」は面白かった。
以下「オラクル」について。一応ねたばれあり。

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