マイク・デイヴィス、ドバイを訪問

Boing Boingより。
『要塞都市LA』の著者マイク・デイヴィスがアラブ首長国連邦の1つ、ドバイ首長国を訪問。ドバイがすごいことになってるってのはどっかで読んだ記憶があるが、これは想像を絶するレベルだ。俺の中のボードリヤールもびっくり。あ、最近のスターリング的でもあるね。
以下がドバイで進んでいるメガ・プロジェクトの一部。まだ完成していないのもある。

  • Hydropolis
    • 公式サイトはFlashyでクソ。これなどがわかりやすいか。世界初の海底ホテル。海面下約20m。壁はプレクシガラスで海中で催される様々なエキシビジョンを堪能できる。
  • The World
    • 300の島からなる人工群島。このページがわかりやすい。各島には基本的に国や都市の名が付けられ、その名にちなんだ建物が築かれているようだ(デイヴィスは飛行機からギザの大ピラミッドとローマのコリセウムを見たという)。
  • Burj Dubai
    • 560m、世界最大のビル。これも公式サイトはどうにもならないので、このへんを参照。
  • Burj Al Arab
    • これもホテル。画像を見れば説明不要だろう。
  • Dubailand
    • そしてドバイランド! 世界最大のテーマパーク! フロリダのディズニーワールドの約2倍のサイズ! ドバイランドはEco-Tourism World、Sports and Outdoor World、Retail and Entertainment Worldなどの7つのワールドで構成され……うう、この名称のキッチュさには我慢できない。もっと詳しい情報は負けず劣らずキッチュな公式サイトのビデオクリップかこのページを参照のこと。ウーン、エコ・ツーリズム!

もちろん、反時代的マルクス主義シンパのデイヴィス先生だから、楽園の暗黒面も忘れず描写。
2003年に外国人が土地の所有権を認められてから、ドバイはバブルに沸いている。デイヴィッド・ベッカムはビーチを、ロッド・スチュアートは島(おそらくThe Worldのグレート・ブリテンを)を買い取った。こうして居留外国人や投資家はドバイの「自由」を褒めちぎりだしたが、それは資産を所有する自由や、酒やらレクリエーショナル・ドラッグやらで羽目をはずしたり、ホルターネックの服を着たりする自由であって、政治的自由ではない。ストライキ、組合、世論を喚起するような運動は非合法。民間セクターの99%は非市民が請け負っている。ドバイの繁栄はフィリピン人・スリランカ人・インド人のメイド、パキスタンとインドの建設労働者が支えているのだ。だが、薄汚れた労働者がパラダイスのイメージを汚すことは許されない。労働者は市の外縁部の労働キャンプに押し込められ、訪問者の目に入らないようにされている。
加えて、「中東のバンコク」と呼ばれることもあるドバイにはロシア、アルメニア、インド、イランなどから数千の売春婦が集まっている。もちろん彼女らの元締めとして国際的ギャングやマフィアも食い込んでくる。さらにサラブレッドマニアの首長はジョッキーに子ども奴隷を使っているとの疑いがかけられている。

ああ、記事にでてくるAlbert Speerって誰かと思ったらシュペーアのことか。第三帝国の軍需大臣/建築家。
追記。MM/Memoから人が来てたんでそこから関連URLを漁ったら、ドバイのメガプロジェクトの写真を集めたページがあったよ。