イスラエル・ロビー本、続報

このエントリの続き。
イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策 1』を本屋で見てきたが、副島本人が訳しているわけではないようだ。そのあたりの事情は本人のページ魚拓)に書いてある。あの独特すぎる文体でめちゃくちゃにされると思っていたので、ちょっと拍子抜けして、買わずに帰ってきてしまった。原著はもう手に入れたし、買わないかもしれない。
訳もぱっと見たところまずくなさそうだった。ただ、上のページで引用されているところだけで間違いが2つあった*1ので、ちゃんと比較すると問題がみつかるかもしれない。
副島の“解説”も長いのは10月発売の2巻目に載るらしく、第1巻にはミアシャイマーとウォルトの簡単な経歴しか書いてなかった。最後のネオアイソレーショニストとか真の愛国者云々を除けば、まあ、それほどひどくはなかった。
ともかく、ミアシャイマー先生にメール送るつもりで副島のこと調べてたら、あまりにすごすぎて具合悪くなってしまった。副島の立場がよくわからないんだが──

  1. 人類は月に行っていない
  2. 9/11はアメリカ政府の陰謀
  3. ホロコーストは無かった(ガス室はなかった?)

これは全部イエスということでいいのか? 一番最後の項目については、だいぶ前にフィンケルシュタインの『ホロコースト産業』で検索したとき、副島が書いた強烈にひどい文章を読んだ記憶があるが、あまりのことに記憶から消えてしまった(今は会員しか読めなくなっているので確かめられない)。
まあもうざっと略歴を書いて、著書のタイトルを英訳して送るだけで十分かな。

原著のほうは半分ぐらい読んだ。第三章、イスラエルのニュー・ヒストリアンたちを援用してのイスラエル批判は、かなりよくまとまっていて便利。

*1:「その年の夏の終わり、『フォーリン・ポリシー』誌のある書評家は……」の『フォーリン・ポリシー』は、正しくは『フォーリン・アフェアーズ』。2つ目は「次のように予言した評論家もいる。『かの筆者たちは、自分たちの考えが、不明瞭なものであることにすぐに気づくことになるだろう』と」の部分。原文は"A few critics even predicted that the article (and its authors) would soon fade into what they thought would be a richly deserved obscurity"。このobscurityは「不明瞭」ではなく「無名」だろう。正直この英文自体を理解しているか怪しい。