越智道雄氏は……

このあいだ本屋でマフムード・マムダーニ『アメリカン・ジハード』ISBN:4000220306けびっくりした。マムダーニはウガンダ出身のインド系アフリカ人で現在はコロンビア大学政治学教授。奥さんは映画監督のミラ・ナイール*1なんでびっくりしたかというと、ちょうどルワンダについてマムダーニが書いた"When Victims Become Killers"を読んでいて、そのバランスのとれた記述に非常に感銘を受けていたからだ。まさか彼の著作が訳されているとは思っていなかった。
アメリカン・ジハード』の内容にはそれほど関心が持てなかったが、訳者は越智道雄氏だし、マムダーニに感謝する意味も込めて買ってみた。
それで80ページぐらい読んでみたんだけど、固有名詞の間違いが多すぎやしないか。ざっと思い出せるだけでハナ・アレントレジス・ドブレイ、フランツ・ファノン『黒い肌、白い顔』、マイク・ホアーレ、アル=マーディ、開放社会研究所(Open Society Instituteのこと)*2。その気になって読み直せばもっと増えるだろう。1つや2つなら英語読みに忠実にしただけだとも言えるけど、こんなに多いと調べる手間を省いているだけとしか考えられない。
越智道雄氏とは興味の方向が近く、かなりお世話になってきたんだがなあ。どこかで越智氏が最近変なこと書いてるってのも読んだ記憶があって心配。

*1:IMDbへのリンク。代表作に『モンスーン・ウェディング』、『虚栄の市』など。『セプテンバー11』にも参加していた。

*2:一般的な読みはハンナ・アレントレジス・ドブレ、『黒い皮膚、白い仮面』、マイク・ホアー、マフディー、オープン・ソサエティ研究所。