『イージー・ライダー☆レイジング・ブル』 asin:B000657QR4
町山智浩監修の『アメリカン・ニューシネマ/反逆と再生のハリウッド史』を見たいのにどこいってもこっちしかおいてないので、とりあえず借りてみた。
扱っている題材は同じくアメリカン・ニューシネマの10年間。ただこっちはアルトマン、フリードキン、スピルバーグらがインタビューを断ったというから、やっぱり町山監修作品のほうが出来がいいのかな。
たしかに発端の撮影所システムの崩壊、その結果起こった若手の流入、ロジャー・コーマン“映画学校”あたりの導入部分と、『ジョーズ』の記録的ヒットによる監督主導の時代の終焉を除いてはエピソード的な、あまり繋がりのない語りになっていた。けど、この題材ではどう撮ってもつまらないわけはないのだった。
以下、特に面白かったエピソードをいくつか。
- やっぱデニス・ホッパーはいい。『イージー・ライダー』で大成功するも、何もかも自分の手で作り上げた『ラストムービー』の革命的失敗によって転落。
- 若い頃のウィリアム・フリードキンはお洒落で実にかっこいい(上画像参照)。
- そしてペキンパーはまさにペキンパーとしかいいようがない面をしているよな。そしてその人生もまた。趣味は酒、女、重役とのケンカ! 「彼自身がワイルド・バンチだ」!
- バート・シュナイダー(『イージー・ライダー』、『ファイブ・イージー・ピーセス』のプロデューサー)は混乱を深めるアメリカ社会を前にし映画界を離れ、ブラック・パンサー、アビー・ホフマンを支援。最終的に『ハーツ・アンド・マインズ』を携えて帰還。
- 『ミーン・ストリート』批評家に激賞! 大ヒットは確実かと思われた。だが公開5週目にして『エクソシスト』の魔の手が!
- やっぱりコッポラはクソ野郎っぽいよね。
- 『真夜中のカーボーイ』監督ジョン・シュレシンジャーはやはりというかゲイ。また『タクシー・ドライバー』脚本のポール・シュレーダーも脚本執筆時はトラヴィスに勝るとも劣らないどん底生活。