セバスチャン・ジャブリゾ『さらば友よ』ISBN:4150010749

Gomadintime2004-10-08

主演チャールズ・ブロンソン、共演アラン・ドロンノワール風映画『さらば友よ』(感想)、その原作。というより、台本をほとんどそのまま小説にしたと「まえがき」で書かかれている。しかしそれにしてはちゃんとした小説になっているな。

驚いたのは場面や台詞の細かいところまでだいたい映画通りな点。ブロンソンのセリフ"Nice gun,nice girl"、「友人とはディエン・ビエン・フーでゴルフをご一緒しましたよ、ってね」「イエー!」*1などもそのまま。つまりこれを読んでも映画の疑問箇所、例えばなぜ金庫に株券を戻す必要があったのかなどは結局わからない。

この本自体の評価だが、映画の印象が強すぎてこれのみの評価はできかねる。おそらく映画を観てない人が読んでもつまらないはずだ。ただ映画のほうで描写やセリフの省略が激しいため、わかりにくい場面が多いので、この本を副読本として読むことで不明点はそれなりに整理されると思う。

しかしここまで原作通りだとはね。ブロンソンの魅力にやられてあんな映画になったとばかり思っていたが。どこまでも「男の友情」一点で突っ走る。女もお嬢さま風とファム・ファタルっぽいのと主に2人出てるけど、全く記憶にのこらん! むしろブロンソンのような男がどこまでかっこよくなれるかを描いた究極のドリーム作品。ブロンソンにはオム・ファタルの称号を与えたい。

*1:実際に小説で使われてる言葉は違うが。