PMFについて

これこれ読んだけど、次から次へと驚愕の事実が明らかになって咀嚼しきれないなあ。
はっきりしてるのは軍のアウトソーシングは世界的な趨勢であって、現在の時点でさえ「え、そんなことまで?」と思うようなことまで委託されてるし、これから先、範囲も規模も拡大していくことは間違いないということだ。うーん、この辺のことは軍オタの人には常識なのかなあ。意見が聞きたいや。自分は実際のところ軍事にぜんぜん詳しくないので。
ちょっとそのアウトソーシングがどこまで進んでいるか事例をあげてみます(主に政府の例です。ある程度知られており、「傭兵」の文脈で理解できそうなアフリカは除外します)。

  • 英国海軍の最新原子力潜水艦の乗組員の訓練はPMFが行った(2000年7月)。
  • アメリカのDARPAに相当する英国の組織DERAは2001年7月民営化された(と"Corporate Warriors"にはあったが正確には違うようだ。大部分を民間移管ですね。噂のカーライル・グループと提携したらしい。サイト)。
  • 国連平和維持軍に提供している自国の部隊をPMFに置き換えようという意見が英議会で出される(2002年2月)。
  • Large-scale privatization,including Royal Navy's aircraft support unit, Royal Army's tank transporter unit, Royal Air Force's air-to-tanker refueling fleet
  • サウジ軍の訓練・兵站業務・諜報・作戦顧問などをVinnellノースロップ・グラマンの子会社)、BDMが担当。領空と領海の防衛のサポートをSAICが、王族の警護をO'Garaが担当。Booz-Allen Hamiltonが軍職員の学校を経営。Vinnelの社屋は2度、自爆テロの標的になっている。
  • コロンビアとの「麻薬戦争」では少なくとも7つのPMFが関わっている。アメリカはDynCorp(と思ったらここも買収されてら)、EAST.Incを対諜報活動に使用。コロンビア側ではイスラエルの会社Spearhead Ltd.が麻薬カルテル反政府軍の訓練を請け負ったとの噂
  • 2003年秋ガザでハマスに殺害された3人のアメリカ人もPMF、DynCorpの社員だった(これかな? )
  • アフガンでの米軍によるPMFの利用(CIAのパラミリタリー部隊の指揮下での地上作戦・無人偵察機グローバルホークの操作・兵站業務・兵器のメインテナンス・偵察機の操縦)
  • オーストラリア軍は新兵雇用業務を米国に本社のある人材派遣会社Manpower社(日本にも進出してる会社?)に委託。米英ともに同様の計画あり。
  • 米軍の航空機訓練の70%をPMFに任せる。
  • 第2次チェチェン紛争でのロシア軍の40%が契約兵士であるといわれる(2000年度)。ただこれはPMFとはいえないかも。

(web上に情報がある場合リンクをつけました。基本的に"Corporate Warriors"か上の2つの記事の内容からです。あとイラクは割愛しました。)
国防総省1996年の報告を見つけた。しかし冷戦後の時期と例の「テロとの戦い」以後では大分流れが違うような気がする。イギリス議会のPMFについての政策提言書もあった。こっちは読まないな、50p以上あるし。