Rwanda:10 Years of Pain

上記リンクはFlashなので音が出るのと、暴力的なイメージが表示されるので注意。
2005年ピューリツァー賞の国際報道部門を受賞したNewsdayのDele Olojede記者のレポート。Newsdayはタブロイド判の新聞なのに、内容がセンセーショナルではないのが面白い。
ルワンダ連載は来週再開します。ちょっといろいろ悩みがあって続きが書けなかった。文章を書くって難しいなあ。

パストゥール・ビジムングとジェノサイド後のルワンダ

ジェノサイド後のルワンダ初の大統領となったパストゥール・ビジムング。彼はフツの生まれのRPFメンバーであり、彼の大統領就任はルワンダのフツ/ツチの和解に向けた努力のあらわれとして賞賛された。もっとも、実際の権力はポール・カガメが握っていると目されてはいたが。ポール・カガメは言うまでもなくツチである。
しかし、ビジムングと政府とのあいだの政策上の不一致は徐々に広がっていった。ビジムングはとりわけ、反対派にたいする厳しすぎる締め付けの正当性に疑念をいだく。最終的にビジムングは2000年3月、大統領を辞し、ポール・カガメが後継に就く。
2000年7月、ビジムングは民主新生党(PDR - Party for Democracy and Renewal)を新しく結成した。政府はただちにこの党の活動を禁止し、ビジムングが民族間の対立を煽っていると非難。それから間もなく、ビジムングは逮捕された。
彼は公金横領と「犯罪的結社を結成してジェノサイドの生存者を脅迫・威嚇した」との罪状で2004年7月、有罪となり、懲役15年を宣告された。今月末に上訴審が行われる予定。
ビジムングの逮捕がどの程度正当といえるかは、英語で読めるニュース程度ではよくわからない。しかしながら、現政府の強権的傾向は広く報告されている。*1
純粋に戦略的な観点でいえば、与党RPF*2は現ルワンダの「統一と和解」路線を、反対派の批判の声を抑える目的に使える。現政権への反対者にはルワンダを分離させる意図があるとレッテルを貼るのだ。この分離というレッテルは、ルワンダでは自動的にジェノサイド以前の体制を連想させるので、特にフツには有効となる。

*1:"Troubling Signs Mark Kagame's Path to Unity"の"A Loaded Label"にいくつか例が挙げられている。

*2:もともとは反政府武装組織だったが、内戦とジェノサイド後、政党になった。

ルワンダ史

更新。頑張って削ってみたが、今回長すぎか。ちょっと後半駆け足過ぎて意味不明かも。
そういや『アフリカを知る事典』ISBN:4582126235しまったが、ルワンダとブルンディの記述が古い学説に基づいてて、信頼感がだいぶ下がった。*1「ツチとフツ」って別ページにあるコラムは新しく書き足されたものらしく、最近の研究を参照しているんだけど。どうせなら本項目を書き換えてほしかったよ。

*1:バンツー系がルワンダへ移住した年代とか。

ルワンダ史第6回

アップした。だんだん長くなってくるよ。10月いっぱいの予定だったけど終わりそうもない……。
そういえば下の書いてて思い出したけど、『ホテル・ルワンダ』ってロケ地ヨハネスブルグだった。ヨハネスブルグといえばグランド・セフト・オートも真っ青の犯罪都市ってイメージがネットのせいで出来ているけど、やっぱ誇張された印象なのかな? まあ実際南アの犯罪率は凄いんだけども。

連載ルワンダ史

アップした。
(言い方は嫌らしいけども)「啓蒙的」文章を書くって難しいな。この部分にはこれこれこういう異論がある、とか併記したほうが気分的には楽なんだが、そうすると際限なく長くなってしまうし。本によって書いてあることが結構違ったりするんだよな。専門家じゃないから真偽の判断もしかねるぜ。
今はブルンディについて調べているんだが、研究者はたいてい「ルワンダとブルンディの歴史を混同するな」って言う。だけど、どう違うのかは今ひとつはっきりしない。どっちもツチ/フツの区分があるけど、何が異なっているのか? ブルンディにはガンワという名の王族階級があったってぐらいで、他の違いは言葉でまとめられない。
たぶん、牧畜民と農民間の牛を介したパトロン・クライアント関係が集権化につれて階級として固定していった、のような感じなのか? わからん。半遊牧の貧しいバゴグウェ族がツチに分類されたのは単に牛を持ってたというだけの理由なのか? それならいつ分類されたのか? 俺は誰に向かって書いているのか?