インテリジェント・デザインの敗北(Washington Post)

科学教育でインテリジェント・デザインの授業も認めることがペンシルヴァニア州ドーヴァーの教育委員会で決定されたあと、保護者たちが憲法政教分離の原則に反するとして起こした連邦裁判の判決が出た。
結果は保護者側の勝利。インテリジェントデザインは「宗教的世界観であり、創造論のラベルを貼り替えただけにすぎず、科学の理論ではない」と判事は結論。さらに判事は、ID論は「超自然的原因を認め、これを引き合いに出すことで、数世紀にわたって築きあげられてきた科学の基本原則を踏みにじった」とした。ちなみに判事ジョン・ジョーンズ共和党員で、敬虔なキリスト教徒ということだ。
ペンシルヴァニア州ドーヴァーの教育委員会では、IDに賛成したメンバー9人中8人が再選されなかったので、再審もなさそうだ。今までたびたび発生してきたID論をめぐる教育委員会での局地戦も、これで納まるのだろうか。
ただ、Salonの記事を読むと、楽観はできないみたいだ。記事によると、生徒や保護者からくる生物教師個人へのプレッシャーは年々増している。最近の研究によれば、ミネソタ州の20%、カンザス州のほぼ50%の科学教師がプレッシャーに譲歩して、進化論と平行してなんらかの形の創造説を教えているという。


"The real danger is not that teachers will start teaching creationism," says geologist Warren Allmon, the director of the Museum of the Earth in Ithaca, N.Y., which features an exhibit on evolution seen by thousands of school kids every year. "It's that they will stop, or reduce, the teaching of evolution. Many now just assign [students to voluntarily read] the chapters on evolution and don't cover it in class, in order to avoid controversy."
うーむ。