カンザス州、「創造論」授業可能に 論争は必至


カンザス州トピカ──米国中部、カンザス州の教育委員会は8日、公立学校を対象とする科学教育の指針変更を賛成6、反対4で可決し、「インテリジェント・デザイン(ID)」と呼ばれる「創造論」の授業は可能とする決定を下した。IDは「複雑な宇宙は、より高度な力によって創造された」などと主張する考え方で、ダーウィンの「進化論」を否定、キリスト教の「神が人を創ったとする」考え方に同調する。宗教右派などが支持している。
おいおい。いや、この間のベーエのやつペンシルヴァニア州で、ペンシルヴァニアではまだ裁判の結果は出ていないのですが。
ペンシルヴァニア州の裁判というのは、今回のカンザス州のように科学教育の方針変更がペンシルヴァニア州ドーヴァーの教育委員会で決定されたあと、保護者たちが憲法政教分離の原則に反するとして起こした連邦裁判。こっちのほうが重要度がはるかに高い。判決は1月に出る予定。
ペンシルヴァニア州ドーヴァーの教育委員会のほうはこれを読むと、IDに賛成したメンバー9人中8人が再選されなかったそうで、先行きは明るい。結局、議論の質ではなく、委員会の人員の傾向が大きくものをいうわけか。なんにせよ、ドーヴァーで新しく選出された委員の「わたしの子どもは神を信じています。わたしもです。でも、委員会が提示したようなやりかたで、このことが科学カリキュラムに含まれるべきだとは思いません」*1という言葉に尽きる問題だと思うんだがなあ。

*1:"My kids believe in God. I believe in God. But I don't think it belongs in the science curriculum the way the school district is presenting it"