アンナ・ポリトコフスカヤ回復か(リンク)

とりあえず意識は戻り、回復に向かっているようだ。よかった。しかしロシアのジャーナリスト弾圧は相当酷いと耳にはしていたが*1

ここが重要な詳細だが、ポリトコフスカヤは、丸一日食事が取れなかった。機上での食事を、彼女は経験の豊富な人間として、断った。

こういうことをさも当たり前の用心であるかように書かれると言葉を失う。
ところで『チェチェン やめられない戦争』も読み終わったが、あまりにすさまじい蛮行の描写と、今まで勉強してきたこととはだいぶ違った認識を次々突きつけられるため、整理ができないでいる。たぶん本の感想と、新しく得た知識やそこから起こる疑問は分けて書いたほうがいいんだろう。
1つ例をあげる。たとえば、昨日「チェチェンウォッチ」から出された「ザカーエフ文化出版情報相への質問」だが、

3. ロシア側の占拠グループに10人のアラブ人と黒人が一人含まれていたとする報道についてはどうお考えですか?チェチェン抵抗運動のイスラム戦士の中に外国からの義勇兵が含まれることはよく知られたことです。しかし、彼らはチェチェン軍の統制下にあると思います。占拠グループにいたというアラブ人にこうした義勇兵の一部が含まれていた可能性はありますか?

この点、上の本を読んだかぎりでは、「チェチェン軍の統制下にある」とは逆の印象を持った。そもそもチェチェン軍というもので一枚岩の組織(マジックワード武装勢力」とか……)を指すのが様々な誤解のもとであるように思う。マスハドフバサーエフワッハーブ派と強い繋がりがある)、あるいは家族を殺され復讐を求める個人が集まったある程度独立した小集団、それらが1つの組織としてまとまっており、例えば統一された命令系統を持っているとはとても考えられない。しかしここはあとで引用をきちんとしてちゃんと書きます。

*1:たとえばsalonのこの記事。いや、ウクライナだけども。手口は典型的なので勘弁して。