グノーシス主義

なんか興奮する単語で思い出したんだが、この間グノーシス主義の話をしただろ? グノーシス主義にも興奮するフレーズが頻出するよ(俺基準で)。
まずグノーシスからして興奮する。またグノーシス主義では造物主(デミウルゴス)の名は一般にヤルダバオート、あるいはサマエルと呼ばれるがこれもイイね。他にはアルコンとかオグドアス、アイオーン、「死のソフィア」、「王なき種族」(グノーシス主義者の自己呼称)とかも。またナグ・ハマディ文書にもそそるのがたくさんある。『闘技者トマスの書』、『全きヌース』、『メルキゼデク』、『ゾストゥリアノス』とか意味は全く分からないが楽しい。
多分アレだ、ユングとかも「グノーシスやっべ、かっこよくねえ?(単語が)」と考えていろいろ書いたね。間違いない。
そういえばこのあいだは適当な話しかしなかったが、グノーシス主義でもっとも面白いところは『聖書』の読み換えだろう。例えばグノーシス主義では世界創造者は悪であるため、「創世記」の完全な価値転倒が起こる。旧約の神こそが諸悪の根源、知恵の木の実は真の神からの贈り物、ある派(ナハシュ派)ではエデンの蛇こそが真の神の使いとなる。でもやっぱイエスは味方みたいな。そんな感じで次々とテキストをひっくり返していくわけだ。まあ最終的にはプラトン主義なんだけども、ニーチェの言うような「背後世界論」としてはキリスト教とかより純粋な形だろう。宗教というより知的な運動、あるいは思考形式の一つと考えたほうがハッキリする。