『アダプテーション』(公式サイト)

正直「今時メタフィクションもねえだろ・・・」と思って観るのを怠り、今更ながら観たんですが、すみません最高でした。
粗筋は公式サイトを見てほしい。上で自分はメタフィクションとは書いたけど、虚構と現実を行ったり来たりはしてないというか、現実のルールを破ってはいない。根底に流れるテーマは『マルコビッチの穴』と同じだと思う。しかし一応ノンフィクションの原作があるわけだし、あんまり無茶はできんだろう、と思っていると物語は想像を絶する展開に! 確か柳下さんが「原作者よくオーケーしたよな」みたいなことを言ってたと記憶してるが、確かにそう思わざるを得ない。スーザン心広すぎ。
プロデューサーとカウフマンの会話で、カウフマンが「こんな映画にはしたくない」と必死になり、細かく具体例をあげて説明するシーンがはじめのほうにある。例えばカーチェイス、銃撃戦、セックス、「主人公が葛藤を乗り越え成長する」「人生の教訓を学ぶ」などなど。あんまり細かいんで「このうちいくつかは途中でおこるんだろうなぁ」と考えながら観てたら、いくつかどころの騒ぎではなかった!
さらに「脱構築殺人鬼」は出てくるし、マッキー先生のハリウッドで成功間違いなし! のありがたい脚本講座は聴けるし、女優は魅力的だし(僕はカウフマンの書く女性が好きだ)、マジおすすめ。
テーマ曲のTurtles,"Happy Together"もよかった。最初はWeezerにアコースティックヴァージョンをレコーディングさせてたそうだが、「雰囲気にあわない」というスパイク・ジョーンズの意見により使わなかったらしい。なんとも贅沢な話。