ダラス近郊で発生した「携挙」(Rapture)
ティム・パワーズの旧作のあらすじ。
Salonでティム・パワーズの新作短編集"Strange Itineraries"の書評が上がってたけど、簡単に触れられた旧作2つのほうが面白そうだな。最近ハードな本ばっかり読んでるから、ペーパーバックの娯楽ものが読みたいなと思ってて。
- "Declare" ISBN:0380798360
- 米ソ冷戦の膠着状態を背景として、ノアの箱船、セクシーなスペイン人コミュニスト、伝説の英国人売国奴キム・フィルビー、そして『千夜一夜物語』に現れるアラビアの精霊を巻き込んで繰り広げられる超自然エスピオナージュ。
- "Last Call" ISBN:0380715570
- ラスヴェガスのポーカー・トーナメントを枠に、T.S.エリオット『荒地』からの引用をちりばめながら中世の漁夫王伝説を語り直す。
下のは似たようなことやってる作家がいたな。
『キリンヤガ』はどうなの?
アフリカとSFってことでマイク・レズニック『キリンヤガ』ISBN:415011272X?って聞かれたけど……。自分『キリンヤガ』嫌いなんだよな。そもそも設定*1からして嫌ったらしいし。特に連作短編中最高と評価される「空にふれた少女」なんか、主人公が最後にする偽善的な独白に腹が立ったあまり本を壁に投げた。しかし、ネットでざっと検索すると絶賛の嵐なんだよなあ。自分が気難しいだけなのか。結局のところ最後まで読んだわけだし、レズニックに筆力はあるのだろうが。後半は主人公の敵のマサイ族を応援。
確認のためにパラパラ読もうと思ったが本がなかった。今読むと違う感想かもしれん。
シオドア・スタージョン『輝く断片』ISBN:4309621864
おもしろすぎて一気に読み終えてしまった。もったいない。今までの短編集の中で一番作品の平均点が高いと思った。でも、あいかわらずオチは唐突な短編が多い。「ミドリザルとの情事」は「メタファーかと思ったらメタファーじゃなかった!」ってオチ?
しかし帯の「おれやる、全部やる…。」を読んで、「いやあ全部か……。やっぱディッシュに3Pを持ちかける男は違うな。全部ってどこまでなんだろうな? 順番間違えると全部できないぞ」と思ったことを話したら変態扱いだった。
そういや話はかわるけど、同作品中の「うーん、アンクル(政府)はおまえにゃ用はないな」はスタージョン自身が経験したことだよな。
あとがき読んだら、晶文社からも若島正編の短編集第2弾が出る予定らしい。ディレーニイが"The Complete Stories of Theodore Sturgeon Volume II"の序文で「政治的な悪の働きに関する巧みな分析」と激賞していた「英雄コステロ氏」の収録を期待。
チャールズ・ストロス『アッチェレランド』
は上でダウンロードできるようになってた(id:ita:20050626#p1経由)。Creative Commonsでライセンスされているけど、NoDerivativeだから翻訳は勝手にできないやつだな。