悩んだ分だけよくなるというものでもないが

だいぶ間が空いてしまったが、生存報告。

ルワンダ史も内容的にはほとんど書き終わっているが、上手くまとめられない。
連載のスタイル上、客観性を僭称して書いているような形になってしまっているが、ジェノサイドそのものの記述に際してそうした姿勢を維持するのが困難になり、どうにも手が動かなくなってしまっていた。あと自分のサイトでないから責任が取りづらいというのもあるか。個々の論点について(例えばハビャリマナ機撃墜など)代表的な主張を検討するなどの具体的な話なら比較的容易に書けるのだが。

友だちには「『ホテル・ルワンダ』をだしにヨタを飛ばしている野郎はいくらでもいるだろうが。おまえもそのぐらいの考えでいいんだよ」と言われ、そりゃまあ頭ではわかってるけど……

とにかく関係者にはご迷惑をおかけしております。申し訳ありません。

連載ルワンダ史13回

更新した。
ルワンダのジェノサイドについて、フランスで修正主義の本が出されていたというのを知り、フランス語のサイトをいろいろ読んでいたため疲労困憊。Pierre Péan,"Noires fureurs, blancs menteurs : Rwanda 1990-1994"という本。著者はかなり有名なジャーナリストらしい。
その関連で、フランスが2004年にまとめた、大統領撃墜についての報告書もちょっと調べた。この報告書では、撃墜の命令を下したのはポール・カガメだと断定している。ルワンダに関してフランスの言うことは信用できないと考えてたいして調べもしてなかったが、今いろいろ読んでみると容易く一蹴できるほど党派的内容でもないようだ。報告書をまとめたのはどこの馬の骨だと思ったら、ジャン=ルイ・ブリュギエールだったし。ブリュギエール判事はフランスの国際テロ捜査の権威。ジャッカルのカルロス拘束を指揮したのもブリュギエールだ。
まあ、このへんは調べきれるはずもないので適当にお茶を濁すしかないな……。

追記。Péanはやっぱりジェノサイドの生存者団体から訴えられた模様(参照)。書評をざっとみたかぎり、Péanの主目標はジェノサイド実行者を助けたという汚名からフランスを救い出すことのようだ。そこで彼が採った戦略は、(1)RPFも戦争犯罪を犯していた、それにハビャリマナの乗っていた航空機を撃墜したのはRPFだ(2)ジェノサイドの計画ははっきりしていなかった、だから結局のところジェノサイドではなかった(3)というわけでどっちもどっち、なのでフランスが友好国の政府を手助けしたのは正しい──そういう論理を展開したいようだ。
 しかし、(1)前段についてはそのとおり。ハビャリマナ機撃墜はよくわからない。ここであげた疑問点を解決できているかどうかが問題(2)それは無理、"Leave None to Tell the Story"読み直せ(3)どっちもどっちではない。例えばドレスデン爆撃を行ったからナチスと連合国はどっちもどっちか? 
 んまあ実際のところ読んでみないと何とも言えないが……

連載ルワンダ史

アップした。
そういえばルワンダ関連でこんなニュースがあった。ジェノサイドがほとんど終わった頃に行われたフランスの人道支援作戦「ターコイズ作戦」のさいに、フランス軍兵士が虐殺に関与していた可能性があるということだ。フランス軍が公式に調査をはじめたという。2人の原告の発言のうち、フランス軍兵士が殺戮に実際に参加したとする部分*1はにわかに信じがたいが、フツ民兵の求めに応じツチ難民を追い出した*2とか、殺戮を見て見ぬ振りをした*3とかは確かにありそうな話だ。

*1:"I saw the militiamen kill them - I saw French soldiers themselves kill Tutsis using gleaming big knives."

*2:Hutu militiamen came into the camp and pointed out the Tutsis who the French soldiers then forced to leave,"

*3:"We were attacked and chased by militiamen and I affirm that the French soldiers watched what was happening in their vehicles without doing anything,"

連載ルワンダ史

ようやくアップできた。あぁ、公開に間に合うかな……。
そういえば23日に、(実は)アフリカ繋がりでもある『ロード・オブ・ウォー』を見てきた。傑作。この日は奇しくも16年前、チャールズ・テイラーがコートジボワールからリベリアに侵攻した、同じ日だった。*1感想は書けたら書こう。

*1:映画にテイラーをモデルにした独裁者が出てくる。

『ホテル・ルワンダ』公開日決定

おぅ、思ったより早い……。公開日までにルワンダ史もジェノサイドまで終わらせないとさすがにまずいので、ブログはちょっとお休みする。ネットも控える。読書も減らす。
ジェノサイド直前まではほとんど書けてて、今週末には出せるだろう。12月中にはジェノサイドまで書けるはず。

連載ルワンダ史

ムセヴェニのこと書いたら、先生すごい勢いでダメな方向に行ってるな。このあいだのエントリ以降の展開を簡単に書くと──

  1. 黒シャツの軍人が裁判所に侵入する事件があって、裁判官が「司法権の侵害だ」と正当にも批判すると
  2. じゃあということで、ベシギェを今度はテロと銃器不法所持で軍事法廷で裁くことを決定。

オーノー。