ソ連ポスターブログ
ソ連のポスターを一日一枚ずつ紹介していくブログ。ポスターだけでなく、作者や背景についても解説してくれる。各エントリのタイトルが秀逸。
作者は同じ形式でキューバのポスターのブログも作成している。
プーチンの三選はあるか
友人とのあいだでたびたび出る話題にロシアの次期大統領のことがある。独裁者的人物に弱みのある友人はプーチンが三期目も務めると決めてかかっているふしがあるが(「ロシアの新しいツァー! まちきれない!」)、自分はそれはないと思っているし、識者の意見も「ない」ということでだいたい一致しているようだ──少なくともストレートなかたちでは。なんといっても大統領は真の民主主義者(シュピーゲルのインタビュー参照)だし。
それでは、ストレートではないかたちではどうなのか、という点に関してFinantial Timesに面白い記事*1があったので、記事の内容(と自分の妄想)をまとめて箇条書きにしてみた(記事の中心は箇条書きの最後4つあたり)。大統領任期延長にまつわる話がなかなか興味深かった。
- 大統領にはもうならないよ
- なんらかのかたちで大統領に留まるよ
*1:"Moscow abuzz with Putin term talk"
*2:現在ロシアでこういう提案が出ている。
ガスプロム・シティ?
ロシアの超巨大国営ガス会社ガスプロムが本社をモスクワからサンクト・ペテルブルグに移すという話。
これはプーチン大統領の出身地であるサンクト・ペテルブルグ開発計画の一環で、この計画の名前がガスプロム・シティということらしい。友人にこの話をしたとき勘違いされたが、サンクト・ペテルブルグがガスプロム・シティに改名するわけではない……たぶん。
『シュピーゲル』の記事にデザイン・プランのギャラリーがある。自分はレム・コールハースぐらいしか知らないけど、たぶん全員建築界のスーパースターなんだろう。残念ながら新スターリン様式のデザインはない。
『シュピーゲル』の記事は去年の12月の記事で、この中の誰がプロジェクトの指揮をとるか未決定だったが、結局RMJMに決まった。
この開発計画は歴史的建造物の集まったサンクト・ペテルブルグの中心部近辺を予定地としている。例えばガスプロム・シティの中心となる77階建てのビル(約400m)は、ネヴァ川沿いのスモーリヌイ大聖堂の向かいに建てられる予定。そのため、各方面からかなりの反対が寄せられているようだ。エルミタージュの館長が懸念を表明したり、ペテルブルグの建築家組合がボイコットしたり、プロジェクト指揮者を選定するために呼ばれた有名建築家が抗議の辞任をしたり。このあたりはWashington Postの記事に詳しい。
アンナ・ポリトコフスカヤ射殺される
モスクワ──ロシアのプーチン政権によるチェチェン政策を率直に批判してきた女性記者アンナ・ポリトコフスカヤさんが(48)が7日、自宅アパートのエレベーター内で射殺体で発見された。検察当局は、ポリトコフスカヤさんの取材・執筆活動と何らかの関連があると見て捜査を進めている。現場からは拳銃や弾丸が発見された。また、ロシア通信が警察当局者の発言として伝えたところによると、遺体の2カ所に銃撃された跡があり、うち1カ所は頭部だった。
New York Timesがかなり突っこんだ報道を行っている。
Her death came on the birthday of President Vladimir Putin and two days after one of her bitterest critics, the pro-Moscow prime minister of Chechnya, Ramzan Kadyrov, the son of the ex-President, had his 30th birthday, prompting speculation her life had been taken as a gift to both men.
また、その記事でモスクワの人権団体Center Demosの議長Tanya Lokshinaが「ポリトコフスカヤはもう長いあいだ危険を冒し続けてきたので、危険など超越しているようにみえたのです」と語っている。同じ気持ちだった人は多いだろう。
Mr. Yaroshevsky said that Ms. Politkovskaya had been at work on Saturday finishing an article for the Monday paper about torturers in the government of Ramzan A. Kadyrov, the pro-Kremlin premier of Chechnya. He said the story included evidence and pictures.In an interview in April with The New York Times, Ms. Politkovskaya said she had evidence of torture in Chechnya by Mr. Kadyrov’s police and other gunmen, including at least one witness who had been tortured by Mr. Kadyrov himself. Mr. Kadyrov has always vigorously denied such allegations.
Mr. Yaroshevsky said there were no immediate theories about who might be behind her killing, and noted that it might be convenient for an enemy of Mr. Kadyrov to kill Ms. Politkovskaya in order to blacken the Chechen premier’s name.
The paper had been expecting her to file the article on Saturday night, he said, and she had apparently been killed after she left her apartment for a trip to a nearby store. The RTR television station reported that investigators believed that she had been followed throughout the day.
シャミル・バサーエフ死亡(BBC)
バサーエフはロシアには殺されないもんだと自分なんかは思っていたが。なんにせよチェチェン独立派にとって大きな打撃となるかは疑問。というより、チェチェン独立派は大きな打撃を受けるとか受けないとかいうほど実体的な勢力ではすでにない気が……
ロシア連邦保安局のパトルシェフ長官は10日、チェチェン独立派武装勢力の最大の実力者であるバサエフ野戦司令官を殺害した、とプーチン大統領に報告した。バサエフ氏は約330人が死亡した04年の北オセチア共和国での学校占拠事件など数々の大規模テロを主導したとされており、その死亡は、チェチェン独立派にとって大きな打撃となるとみられる。同長官によると、バサエフ氏はチェチェン共和国に隣接するイングーシ共和国で10日未明、ロシア特殊部隊による武装集団への掃討作戦中に死亡した。
同志トロツキー!
ジョン・リードの"Ten Days That Shook the World"ISBN:0972042806(邦訳『世界をゆるがした十日間』)についてた写真。これは反則だろ。こんなの見せられたらみんなトロツキストになっちゃうぜ。